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イタリア/ジェノバ特派員ブログ 浅井まき

イタリア・ジェノバ特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2019年2月 9日

伝統の競演、第69回サンレモ音楽祭


伝統の競演、第69回サンレモ音楽祭

みなさまこんにちは。
日本ではとても冷え込む週末となっているようですね。ここジェノバは比較的暖かい日が続いています。(私の論文はなんとかなりそうです...)


現在、リグーリア州の西側にある街サンレモでは、イタリアの紅白歌合戦のような一大イベント、サンレモ音楽祭(Festival di Sanremo)が開催されています。
今年で69回目を迎える歴史ある音楽コンテストで、今年は24組のアーティストが参加し、優勝を争っています。今回はこのサンレモ音楽祭について、そもそもどういうものなのか、そして開催地サンレモについて、お話したいと思います。
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(音楽祭会場のサンレモ・アリストン劇場。すごい人出です)


イタリア音楽の最高賞

サンレモ音楽祭は毎年2~3月に行われており、その始まりは1951年に遡ります。サンレモ音楽祭優勝者に与えられる"サンレモの獅子像"はイタリアの大衆音楽界における最高の賞であり、歌手と作曲者にとって非常に栄誉あるものです。本来は作曲家のためのコンテストで、条件はイタリア人(少なくとも一人を含む)の作曲者による、イタリア語の未発表歌曲であるということ。そのため、初期には一人の歌手が複数の楽曲を歌うこともありました。現在ではどちらかというと歌手のコンテストに近い形となっています。

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音楽祭は5日間にわたって行われ、参加歌手たちは合計4回、アレンジを変えたりゲストを招いたりしながら同じ曲を歌います。こうした目に見える評価基準のないコンテストにおいてイタリア人というのは非常に慎重な人々で、何日もかけて最も優れた楽曲を選ぶのです(ミスコンなども同様で、ミス・イタリアには敗者復活戦もあるという噂)。そのため、演奏順の不平等が緩和されるほか、初日には好評であっても飽きられてしまう曲があったり、反対に徐々に評価を上げていく楽曲があったりして最後まで優勝の行方はわからない、というのが面白さでもあります。


審査は専門家によるジャッジに加えて視聴者投票も加味されます。一般視聴者は投票時間中、固定電話やスマートフォンから好きな歌曲に1夜で最大5回投票することが可能です。


毎回国内外から豪華なゲストが登場するのも醍醐味です。昨年にはイタリアの有名歌手ズッケロ(Zucchero)のパートナーとして布袋寅安さんも登場しました。

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(ドメニコ・モドゥーニョ。'58年の音楽祭にて。<Wikipedia より引用>。パブリックドメイン)


サンレモ音楽祭優勝曲の中には世界的な大ヒットとなった曲も数多く存在し、その筆頭が1958年優勝のドメニコ・モドゥーニョ(Domenico Modugno)による"Nel blu dipinto di blu"でしょう。このタイトルだとピンとこないかもしれませんが、「ヴォラーレ」という邦題はよく知られているところです。ジプシー・キングスによるカバー版がアサヒビールのCMでも流れているので日本でもかなり馴染みのある曲ですね。


また、受賞こそ逃していますが世界的な成功をおさめた楽曲としてはアンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)が1995年の音楽祭で披露したCon te partiròがあります。日本ではサラ・ブライトマンとのデュエット版である「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」が有名です。この名曲を押さえて各賞を総なめにしたのがジョルジャ(Giorgia)の"Come saprei"なので、気になる方はぜひ検索してみてください。





イタリア音楽の聖地であり風光明媚なリゾート都市・サンレモ

音楽祭が行われるサンレモはジェノバから西へ電車で約2時間、フランスのニースからのほうが近い位置にあるインペリア県の街です。美しい海岸線の続く地方で、夏場にはリゾート地として多くの観光客が訪れます。
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音楽祭がはじまるきっかけは、シーズンオフの観光振興としての試みでした。そのため、真冬の2月ごろに行われているのです。
当初はカジノで行われていましたが、音楽祭の人気によってより適した場所が必要となり、1977年以降は市内にあるアリストン劇場で開催されています。

会場では一般観覧も可能で、イタリアの旅行会社がツアーを組んだりもしています。多数の歌手や国内外の豪華ゲストが登場する舞台なので、チケットを個人で手配するのはなかなか難しいかもしれません。また、ドレスコードがあるようで、観客席を見ると男性は必ずネクタイとジャケットを着用しています。
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サンレモの街中にはリグーリア地方らしい、カラフルで可愛らしい建物が並んでいます。サンレモの海岸はビーチよりもヨットハーバーが主ですが、隣町のボルディゲーラには素晴らしいビーチがあります。フランス国境まですぐという立地で、ニースやモナコにも日帰りできる場所です。夏場のリゾート旅行にも、2月のサンレモ音楽祭見学にもおすすめの街です。





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("モランディ橋"の現在)


さて、昨日2月8日はジェノバの人々にとって特別な日となりました。昨年8月14日に43人が犠牲となった高速道路の高架橋崩落事故、あの事故のあった橋は未だ残されていたのですが、新しい橋の建設のためいよいよ取り壊しが始まりました。

「リグーリア州は変わった形をしています。薄く長く、まるで橋のように」
サンレモ音楽祭司会のクラウディオ・バリオーニ(Claudio Baglioni)はこう述べてこのことを語りました。
新しい橋はジェノバの新たなシンボルとなるでしょう。

音楽祭の様子はRaiによるストリーミング(Rai play )、またはYoutubeのRai公式チャンネル による配信で見ることができます。

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カテゴリー エンターテイメント・音楽・ショー
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2019/2/16更新

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    浅井まき
    大学卒業後、社会人を経て2015年渡伊。イタリア北部リグーリア州の港町ジェノヴァに住み始めてはや3年目。現在はジェノヴァ大学の大学院史学研究科に在籍。日本と大きく異なるイタリアでの大学院生生活に四苦八苦しつつ、17~18世紀のジェノヴァ共和国に関する研究を行っている。自分の専門以外にも西洋史全般、美術、現代音楽、グルメ、スポーツなどへの関心大。晴れた休日には近郊へ写真撮影に行くのが楽しみ。 DISQUS ID '@disqus_n3hiU5o4o9

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