パブリックフットパスを歩いてみよう 3

公開日 : 2008年01月18日
最終更新 :

パブリックフットパスを歩いていると、もしかしたら、途中で、「ブライドルウェイ(Bridleway)」と記されている道しるべに出くわすことがあるかもしれません。パブリックフットパス(Public Footpath)は歩行者のみが通行を許されている小道ですが、ブライドルウェイ(Bridleway)は歩行者のほかに、馬、自転車も通行を許されています (車はもちろんのこと、バイクは通行不可) 。ちなみに、「ブライドル(bridle)」というのは、馬のくつわや手綱などの馬具のことです。ときには、ウォーキングコースの一部がブライドルウェイと重なっている場合もあるかと思います。ブライドルウェイでは、とくに休日など、ぱかぱかとのどかな蹄(ひづめ)の音をひびかせて通りすぎていく馬と乗馬者の姿が見うけられます。

P4290059x.jpg

人の姿はまったく見かけなくても、羊の姿を見かけないことはまずないと思います。

子羊が生まれるイースター(復活祭)のころには、親子連れの羊たちの姿が春の野原のあちこちで見られます。

P4290007x.jpg

放牧されている牛や馬もおなじみ。

PA070036x.jpg
P7310009x.jpg
PA140067x.jpg

放牧されている家畜ほど頻繁にお目にかかることはできませんが、ひょっこり野生動物に出くわすこともあります。

P8030016x.jpg

残念ながら、カメラにおさめることはできなかったのですが、それは数年前、人影のない田舎のパブリックフットパスを歩いていたときのこと。何か動くものの気配を感じて立ち止まると、目の前の野原を2頭のシカがもつれ合うようにとび跳ねながら横ぎっていく姿がありました。まるで空中を飛翔するかのような躍動感としなやかな肢体の美しさに息をのみ、ひたすら見ほれてしまったこともありました。

かと思えば、春先のころ。小高い丘のへザーのブッシュの足もとで、ケッケラケッケラ甲高い声でいったい何があざ笑っているのだろうと思うと、ころんっと丸い母親グラウス(ライチョウ)がひなグラウス3、4羽をしたがえて、ブッシュのあいだの小道を親子でよたよたよちよち横ぎっていくのに出くわしたこともありました。

また、歩いている足もとで、突然、バサバサバサッ。

いったい何の騒ぎかと肝をつぶしたとたん、赤と緑と茶色の鮮やかな羽毛を身にまとったオスのキジが長い尾をひきずって木立ちのかたなへ飛び去っていったことも……。

せせらぎ沿いの岸を、野ねずみがちょこまかとび跳ねまわっていたかと思うと、すみかの穴ぐらの中へダイブして消えたり。

P1220015x.jpg

イギリスの野うさぎには、「ピーターラビット」でおなじみの小型のうさぎラビット(rabbit)と、

ラビットに比べると、大型で耳と脚が長いヘアー(hare)と呼ばれるうさぎがいます。ラビットは、野原を歩いているとあちこちで見かける穴の中に住んでいて、ひょっこひょっこ立ち止まるように動くのでよく見かけますが、ヘアーは野原に住んでいて、「あっ、あれがヘアーか!」と思ったときにはもう姿がありません。

パブリックフットパスを歩いていると、のどかな緑の風景の中で、街の生活ではなかなかお目にかかれない家畜や野生動物たちとの思いがけない出会いがあります。イギリスの人々のあいだに、ウォーキングが週末のレジャーや長期のホリデーとして定着しているのもうなづけます。

みなさんもどうか、その足でイギリスの田舎を歩き、その目でイギリスの田舎の風景や動物たちと出会ってみてください。きっと、おだやかな景色の中にとけこんで一体となるような心休まるひとときをすごせることと思います。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。