花で飾られた家族のアルバム

公開日 : 2008年05月28日
最終更新 :

「ボタニカルアート(botanical art)」をご存じですか? 文字通り植物の描かれている絵なのですが、「ボタニカルアート(botanical art)」と呼ばれる植物の絵には、絵筆を握るアーティストのイマジネーション、あるいは、美しさや華やかさを誇張するための技法はいっさい使われていません。あるがままの植物の姿をそのままに紙の上に写しとることのできる科学の目とその技術を備えたボタニカルアーティストによって生み出されます。

カメラが発明され、写真が一般に広く普及した現在でも、イギリスではボタニカルアートの人気は高く、つい先月も、ロンドンの王立植物園キューガーデンにボタニカルアート専門のギャラリーがオープンしたほどです。(そのニュースを伝える英国国営放送BBCのサイトのこちらのページでボタニカルアートの作品のいくつかが紹介されています)また、ピーターラビットのおはなしシリーズの作者ビアトリクス・ポターは子供向けの絵本シリーズの中には擬人化された動物たちの愛らしい姿を描いていますが、キノコの研究家としても知られており、科学者としての鋭利な観察眼を駆使した精緻な植物図を残しています。

どうやら、イギリスの人々は、伝統的に存在するもののありのままの姿を冷徹に見つめる目を持ち、その目を通して紙面に写しとった植物を鑑賞して楽しむという心を持ち合わせているらしいと思っていたところ、先日、その考えを裏づけるかのようなとても素敵な家族のアルバムに出会いました。

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今日は、ボタニカルアートの流れをくむと思われるその古い家族のアルバムをご紹介しようと思います。

友人宅に所蔵されていたアルバムの表紙と裏表紙は分厚い革張りで、中のページも1枚1枚がとても厚く、ページがばらけないように留め金がついています。その留め金をはずし、ページを繰ると……。

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この家族のアルバムは20世紀初頭のものであり、絵はプロではなく絵心のあった家族のひとりによって描かれたのだそうです。まさに家族の手作りアルバム、デジタル化が進む時流の中でますます異彩を放ちながら、これからも友人の家族に代々大切に伝えられていくことでしょう。

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