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イギリス/グラスゴー特派員ブログ ギブソンみやこ&ローランズ真弓

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2009年12月 3日

補習校と国際児たち


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補習校と国際児たち

今回は、前々回に続いて補習校の話題です。前々回は、駐在員家庭の子供たちにとっての補習校についてお伝えしたので、今回は、国際児にとっての補習校についてお伝えしたいと思います。


P1110868x.jpg 土曜日の午前中に、北東イングランド補習校が校舎の一部を借りて授業を行っているオックスクロース・コミュニティー・スクール(Oxclose Community School 12歳から18歳の子供たちが通う地元の公立の学校)。


まず、「国際児」とは、国際結婚によって生まれた子供たちをさして補習校などで使われている通称です。日本語としては広く認識されていないかもしれませんが、「ハーフ」や「混血児」はあまりよい語感をもった名称ではないので、ここでは、「国際児」を使わせていただきます。ご了承ください。


週の間は地元の現地校に通い、週末などに補習校に通う海外在住の日本人の子供たちにとって、補習校が果たしている役割の大きさについては、すでに前々回お知らせしましたが、国際児にとっても、補習校はとても大きな役割をになっています。


両親が異なる言葉を使う国際児、日本人の子供たちが現地校で直面しているような現地語に対する問題はさほと深刻ではないのが普通です。ですが、逆に、国際児のほとんどは、両親が日本語を使う家庭の子供たちのようには日本語を話すことができません。


特に、わが家のように、イギリス人の夫がまったく日本語を解さない国際結婚家庭では、家庭で日本語の会話がなされないので、日本人の母親が子供に日本語で話しかけても、その答え方がわからず、子供は英語で返事をしがちになります。やがて、保育園や学校へあがってしまうと母親といっしょの時間も限られてしまい、幼いころは母親とのあいだで口にしていた日本語もすっかり消えてしまうということにもなりかねないのです。


ですが、補習校に通い始めると、補習校では、日本語を聞き取らなければならないだけではなく、日本語で受け答えをしなければなりません。そこで、補習校では、国際児たちが、日本人の子供たちが現地校でしている苦労と同等の苦労をしながら日本語を学ぶことになります。ただ、現地校とちがって補習校は、週にごく限られた時間だけなので、週のあいだの家庭での大きなサポートと補習校での授業とをうまく噛み合わせることが必要です。補習校に通わせているだけでは、ネイティブ並みの日本語を身につけさせるのは不可能です。


このように、現地校では日本語で話す機会のない日本人の子供たちにとっても、家庭で日本語を話す機会のとぼしい国際児たちにとっても、補習校は、週に1度、国語の授業を受けることができ、日本語で話すことのできる貴重な時間となっています。世界各地の補習校では、ばらつきのある子供たちの日本語の能力に配慮しながらそれぞれに工夫のこらされた授業が行われているようです。


ところで、両親が日本人の子供たち、国際児にかかわらず、今、補習校に通っている子供たちのそれぞれは、将来、何らかの形でおたがいの国や文化交流にかかわって、日本とその子供たちが暮らしている国とを結ぶかけ橋となってくれるのではないでしょうか。その意味で、補習校は、将来の日本の国際交流への揺りかごとなっているとも言えます。


ところが、日本からの教員派遣など、日本政府からの援助の対象となる補習校の児童生徒は、両親が日本人である義務教育の年齢の子供たちに限られているのだそうです。つまり、両親の片方が外国籍の国際児は、援助の対象外とされているのです。


日本政府は成人の2重国籍は認めていませんが、子供には2重国籍を認めています。ですから、片方の親が日本人の国際児のほとんどは、両方の親の国籍を有しています。日本国憲法の下では、すべての国民は教育を受ける権利を有するとされています。だとしたら、両親が日本人の子供たちだけではなく、日本国籍を有する国際児たちの分も、補習校に援助がおりてしかるべきなのではないでしょうか。


日本と海外の国々の国際交流をになう子供たちを育てる揺りかごである補習校が経済的に支障なく運営されていくことを願ってやみません。今回の北東イングランド補習校での古本市の収益も補習校の運営費用に回されるとのことです。

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2009年12月 3日
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