詩を愛唱しながら楽しむハギスの夕べ

公開日 : 2011年01月26日
最終更新 :
DSCN2177.JPGのサムネール画像

今日1月25日は、バーンズナイト(Burns Night)。18世紀のスコットランド人・詩人のロバート=バーンズ(Robert Burns)の誕生日を祝う日です。この日には、スコットランドの伝統料理「ハギス、ニープス、タティス」(haggis, neeps and tatties)を食べるのが慣わしです。スコットランド人のダンナが腕を振るってくれ、今夜の我が家はバーンズサパーと呼ばれるこのディナーになりました。

ハギスとは羊の心臓、肝臓、肺、脳みそなどをミンチにして、オーツやスパイスと混ぜ合わせたものを、羊の胃(ビニールパックも売られています)などにつめたもの。これを茹でてあたためて食べます。ニープスはターニップというかぶ(日本のかぶより大きくて甘い。しかも黄色)、タティスはジャガイモです。ターニップとジャガイモはマッシュにして食べます。ハギスはスコットランドではどの肉屋さんでも売られていましたが、私が今住んでいるイングランドの肉屋さんではあまり見かけません。でも、大手スーパーには常時売られているので、我が家では、バーンズナイトでなくとも、月一回ぐらいのペースで食卓にのぼっています。

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ぼけてしまいましたが、今夜我が家で食べたビニールパック入りのハギス。

このハギス、嫌いな人がとても多いです。ハギスの中身である羊の心臓、肝臓、肺、脳みそは「Awful(=気持ち悪い)」とも呼ばれているだけあって、気持ち悪がって食べられないみたいです。スコットランドの伝統料理ですが、スコットランド人にだって食べられない人が多いのです。私は、ハギスをおいしいと思って食べていますが、ハギスを好きだという人にいまだ出会ったことはありません。

なぜバーンズナイトにハギスを食べるのかというと、このロバート=バーンズの作品「ハギスに捧げる詩」(Address to Haggis)を賞しているのでしょう。ダンナの実家では、スコッチ・ウイスキーを飲みながら、ハギスを食べて祝うだけだったみたいですが、大きなパーティーを開く人もいるようです。ハギスを食べるのはもちろん、バグパイパーの演奏、楽団を呼んでのケイリー(スコティッシュダンスパーティー)、詩の朗読など。一度テレビで見たことがあるのですが、とても楽しそうでした。

ロバート=バーンズは、ダンナと出会ってから知った詩人ですが、実は彼、日本では「蛍の光」として知られるスコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」の作詞家なんですよね。日本でもそうですが、スコットランドでは年越しに歌われる曲です。ふと、口ずさんでいたら、私が自ら掲げた今年の「新年の抱負」をまだ始めてすらいないことに気づきました...。このダラダラとした一ヶ月を振り返ることができたことで、なによりもいい一日になりました。バーンズに感謝!

今回の記事は、ローランズ真弓がお届けしました。

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