湖水地方ヘルベリン山へ登る

公開日 : 2013年08月21日
最終更新 :

5年前の夏にはじめて登って、湖水地方の山の中では最も印象深かったヘルベリン(Helvellyn)山。もう一度登ってみたいと思っていた念願がかなって再登頂してきました。今回は、そのもようをお伝えします。湖水地方のほぼ中央に位置するヘルベリン、標高は950メートルとは言え、イングランドの山の中では3番めに高い山です。登山ルートはいくつかあるのですが、前回同様、湖水地方で2番めに大きな湖アルスウォーター(Ullswater)の南端グレンリディング(Glenridding)から登りました。ただし、今回は前回とは逆の南回りのサークルルートで。

ふり向くと、北へとのびる大地の切れ目のようなアルスウォーター湖の広がりが。

さらに、1時間ばかり歩くと、正面にヘルベリンが見えてきました。右手の峰の方が高く見えますが、こちらは、890メートルのキャツィカム(Catstye Cam)。ヘルベリンの山頂は、屏風のように切り立っている山の中央にデベソのように突き出している突端。

なんだこれならもう楽勝。山頂は目の前だと思ったら、ところがどっこい。この先にはヘルベリン登山の一番の難所ストライディングエッジ(Striding Edge)が待ち構えているのです。

カミソリの刃のような稜線を描く岩場を登ったり下ったり......。

登るのは、まあこのように、悠長にカメラなども構えていられるのですが、

切り立った巨大な岩の下りはそれどころじゃあありません。後ろ向きになって岩にしがみつきながらウォーキングブーツのつま先をあずけられる足場を手探りならぬ足探りしながら降りていきます。

ストライディングエッジの岩場を登りきると、ヘルベリンの山頂は眼と鼻の先。

眼下には氷河時代に形成されたレッドターン(Red Tarn)の、その名前には似つかわしくない

紺碧の湖水が見おろせます。

ヘルベリンの山頂から北東に望めるアルスウォーター方面。

南方側には台地状のこんな広がりも。点のように見えているのは登山者と羊......。

下界の湖畔やこじんまりとした街や村は世界中からやってきた観光客でごった返している同じ湖水地方にこんなに広大で静寂に満ちた場所が存在するのです。そんな事実を知らないままに湖水地方を訪れ、後にする人々のなんと多いことか。ワーズワースやビアトリクス・ポッターがこよなく愛した湖水地方のほんとうの美しさを目にせずに立ち去っていく人々のなんと多いことか。

ヘルベリン山頂からの眺めをさかなにゆっくりとピクニックも楽しんだのでそろそろ下山するといたしましょう。帰りのしょっぱなにも乗りこえなければならない岩場がありますが、このスゥイラルエッジ(Swirral Edge)は来がけのストライディングエッジほどの難所ではありません。

スゥイラルエッジのあとは緑の丘陵の連なる風景をながめながら足どりも軽くなだらかな小路をふもとまで。さあて、次回は、どの山にのぼろうかなあ~。

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