あなたはカジノに賛成?それとも反対?

公開日 : 2012年11月05日
最終更新 :
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2012年11月6日(火)、アメリカ現地時間でアメリカ大統領選挙の一般有権者による投票と開票が行われますが、アメリカの準州であるグアム島民はアメリカ大統領選挙に参加する権利がありません。

でもグアムでも、同日グアム現地時間で、今年は2年に1度のグアム議会議員、米下院のグアム代表を選出する投票が行われる(今年の選挙では、第32回グアム議会議員、米下院代表のほか、村長(19村)と副村長(7村)、会計監査(1名)、公共事業統合委員会(2名)、グアム教育委員会(6名)も選出される予定)ため、最近旅行に来られた方は島のあちこちにこのような看板が立っているのをご覧になったのではないかと思います。

実はこれ、毎年選挙の時期が近づくと現れる看板。ここに書かれた"PROP A(プロップA )"というのは、"Proposal A(プロポーザルA)=法案A"の略で、この法案は端的に言うと、"グアムにカジノを作ろう!"というもの。それこそ2年に一度のグアム総選挙の時期に必ず現れ、そして否決されるのですが、なぜ毎回この看板が現れるのかというと、カジノ作り賛成派の方たちが毎回少しずつ法案を改正するので、こうして何度も何度も登場するのだとか...。

今日はグアム総選挙までもうすぐ20時間を切るということもあり、このカジノ法案とグアムの総選挙について簡単にお話したいと思います。

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グアムの議会は一院政。9月1日の予備選で民主・共和両党ともに候補者が15名に絞られ、11月6日の総選挙で両党含めた上位15人が議員として選出されることになります。そのためここ数カ月ず〜っとこのような立候補者たちの看板が立ち並んでいます(写真は、偶然撮りやすい位置にこの看板があったので撮影したので、私とこの立候補者にはなんの関係もありません)。

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ちなみに上の看板をよ〜く見ていただくと、右下にかわいらしいアメリカ国旗のようなゾウさんのマークが見えると思うのですが、これはRepublican(共和党)のマスコットのゾウさんで、知識と力の象徴だとか。

対してDemocrat(民主党)のマスコットはロバさんで、家庭の象徴なのだそうですよ。

全然候補者のひとを知らなくても、看板を見ながらマークをチェックするだけでおもしろいですね♪

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それでは"PROP A(プロップA )"について少しだけ。

写真は今回の無党派の投票用紙のサンプルの一部。英語とチャモロ語で記載されているこの用紙の下の方に、『Proposal A(プロポーザルA)』と書かれたところがあり、マークシートの賛成か反対を黒く塗りつぶせるようになっています。

この部分を簡単に訳すと、以前あったGreyhound Park(グレイハウンド・パーク)=ドッグ・パークとその関連施設でのビンゴを認めるかどうかというもの。掛け金の売上から賞金をひいたビンゴの総収益には20%の税金がかけられ、その税収はGuam Bingo Fund(グアム・ビンゴ・ファンド)に託されます。またそのファンドの支出の30%がGuam Memorial Hospital(グアム記念病院)役員によって、30%が教育委員会役員によって、30%がグアム警察及びグアム消防局によって、そして10%がグアム税務局によって管理されることになり、グアム税務局がビンゴ運営の監督を行います。

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もちろんカジノが建設されることによって、島民の娯楽が増えるとか、恒常的な財政危機に瀕しているグアム島の増収につながるなどの理由でこの"PROP A(プロップA )"に賛成する島民もいるのですが、カトリック系の団体などは島の風紀が乱れるなどの理由から、また他にも多くの有識者がアトランティック・シティなどギャンブルを合法化して犯罪が増加したことなどを引用し、"PROP A(プロップA )に反対。最近の調査では有権者の約70%が反対しているそうです。

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また、10月23日にRotary Club of Tumon Bay(ロータリ・クラブ・タモン・ベイ)でスピーチを行った、"PROP A(プロップA )"反対派の代表、Jackie Marati(ジャッキー・マラティ)氏によると、"PROP A(プロップA )"は、現在島内数カ所で合法的に行われている"ビンゴ・ゲーム"を拡大解釈してスロット・マシーンをこの島に導入するためのものであると主張。そして法案の中で"ビンゴ"が明確に定義されていないので、この法案が可決すれば、ドッグ・パークなどでのスロット・マシーンを始めとするさまざまな形のギャンブルが合法化されてしまうことになると懸念しています。

そもそも"PROP A(プロップA )"は、正確にいつ、誰が言い出した法案なのかわからないらしく、謎が多い法案でもあるとのこと。総選挙のたびに否決されても次の選挙で少しずつ法改正をし、誰かが有権者を抱き込むための大々的なキャンペーンをして資金をばらまいているというお話もあるようで、実はビンゴの売上が最終的に誰の手元に渡るのかはっきりしていないというのです。

このあたりは私にはどの情報が正しくて間違っているのか全くわかりませんが、否が応でも11月6日午前7時に投票が始まり、新たな決定がくだされることになるでしょう。

ツーリストの皆さんとしては、グアムへのカジノ建設、どのように思われますか?

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