グアムの椰子の木が危ない?!

公開日 : 2014年03月22日
最終更新 :
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グアムを始め、南国のリゾートと言ったら真っ先に思い出されるもののひとつが椰子の木だと思いますが、今グアムの椰子の木が危機的な状況に瀕してるのをご存知でしょうか?

実はこれ、Rhino Beetle(ライノ・ビートル)というカブトムシの仲間による被害なのですが、インドネシアやフィリピンなど東南アジアから始まり、去年末にはハワイでも被害が確認されて、大問題になっているんです。

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このカブトムシ、グアムでは2007年に発見されたのが最初。

ホテル・ロードの並木などに、白やオレンジのバケツのようなものが吊るされているのに気が付かれた方もいらっしゃるかも知れませんが、垂直に飛び上がることのできないカブトムシが、バケツの上の板に当たって下に吊るされたバケツに落ちるという仕掛けになっています。

このような仕掛けがされていたにも関わらず、被害が大きくなるばかりで、最近ではとうとうツーリストの方たちにもお馴染みのYpao Beach Park(イパオ・ビーチ公園)のビーチ沿いの椰子の木が一斉に伐採され、オレンジ色のフェンスのようなもので囲われた小さな椰子の木が育つのが待たれています。

上の動画で被害の様子が少しお分かりいただけるかも知れませんが、このカブトムシは木のてっぺんにいついて葉っぱの方から幹の中に浸潤して樹液を吸うらしく、葉がV字にかじられ、樹液を吸うための大きな穴が見られます。

そのためまだ被害が幹の下の方まで来ていなければ椰子の木のてっぺんをまるで鉛筆のように尖った形にカットしてしまうというのが最初の伐採のよう。

グアムでは南部の方が被害が少ないと言われていましたが、それでも島内をドライブしていると、えんぴつ型に刈られた椰子の木がところどころに立っているのが見られます。

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そしてとうとう、椰子の木が立ち並ぶ様子が圧巻で有名な"The War in The Pacifc National Historical Park in Asan(太平洋戦争国立歴史公園 アサン・ビーチ)"の椰子の木も近々伐採されてしまうとか!

一昨日椰子の木をチェックしに行ってきたところ、椰子の木1本1本に赤や青、緑のリボンが巻かれていたので、恐らく伐採の程度を示すものなのではないかと思います。

アサンの椰子の木の伐採には他の問題もあるらしく、なかなかすぐに手を付けられずにいるようなのですが、リボンまで巻かれているということは、残念ながらやはり実行に移されるのかな...と...。

グアムは小さな島国ですからもともと特定の生き物がとても大きな力を持つということはなく力の均衡が保たれているはずなのに、軍船や貨物船などに乗ってやってきたBrown Tree Snake(ブラウン・ツリー・スネーク)がグアム原産の飛べない鳥Ko'ko'(ココ)を絶滅の危機に追いやっているのと同様に、東南アジアからやってきたカブトムシが、グアムの椰子の木を狙っています。

対策として、カブトムシに狙われる椰子の木だけをまとめて植えるのではなく、いろいろな植物を一緒に植林していくようにすることも考えているよう。フィリピンではこのカブトムシによる大被害をなんとか収束させることができたようなので、グアムもこの問題を機にさらに美しい島になれるよう、力を合わせて行かれたらいいと思います。

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