ドイツの児童文学

公開日 : 2011年09月25日
最終更新 :

今、日本語でドイツの児童文学について書いた本を読んでいます。

やはり日本語はわかりやすい。ドイツに住んでいてもどんな本がよいのか知っているようで知らないもので、新しい発見がたくさんありました。そこで何冊か、図書館で借りてきました。

これは「少年の魔法の角笛」(写真左)と「もじゃもじゃペーター」(写真右)の表紙

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ブレンターノとアルニムによる「少年の魔法の角笛(Der Kinder Wunderhorn)」は、口承で伝えられてきた民謡を集めたもので、詩のような短い物語が韻を踏んでいます。1806年に発刊されました。「せむしの小人」の話は愉快です。せむしの小人がいつのまにかいて、食べようと思ったジャムをすでに半分なめていたり、たきぎを取りに行こうとしたらすでに半分盗んでいました。

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ホフマンの「もじゃもじゃペーター(Der Struwwelpeter)」は辛辣な絵と内容で知られています。19世紀の中ごろ、精神科のお医者さんが3才になる息子のために本を贈ろうとしましたが、よいのがなかったので自分で描きました。火遊びした女の子が焼け死んだり、指しゃぶりをしたために親指を切り落とされる男の子が出てきます。内容が残酷だと論争を呼びましたが、今は古典的な一冊として認められています。

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その20年後に、ヴィルヘルム・ブッシュの「マックスのモリッツ」が出版されました。ふたりの男の子が大人に対して痛快ないたずらをするもので、ハノーファーにはその作者の作品を集めたヴィルヘルム・ブッシュ・ミュージアムがあります。

少し年が上になってくると、ジェイムス・クリュスの「ひいおじいさんとぼく(Mein Urgrossvater und ich )」(写真左)、パウル・マールの「一週間が土曜の日ばかり(Eine Woche voller Samstage)」(写真右)が楽しそうです。

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「ひいおじいさんとぼく」は84歳のひいおじいさんと10歳の男の子の話。妹たちがはしかにかかったので「ぼく」は、ひいおじいさんのうちに預けられます。2人が1週間の間に語った話が、約270ページの本書にまとめられています。遊び心があり、哲学的でもある。まだ読み始めたばかりですが、船旅に出るなら宝物として持っていきたくなるような本です。

「一週間が土曜の日ばかり」はドイツで映画にもなっています。本の表紙を見てはじめて気づきました。豚の鼻を持った子どものような生き物が主役のはちゃめちゃな話です。

この本を公園でぱらぱらめくっていたら、小学校3年生の男の子が話しかけてきました。担任の先生が毎日少しずつ本を読んでくれるのだけれど、今ちょうどこの本を読んでいるとか。すごく面白くて、毎日みんな楽しみにしているそうです。

個人的には、エーリッヒ・ケストナーの「ふたりのロッテ(Das doppelte Lottchen)」が大好き。小さいころに両親の離婚により引き離された双子の姉妹、ルイーゼとロッテが夏に子どもキャンプで初めて互いの存在を知り、入れ替わってそれぞれ親のもとに行きます。このお話、日本でも読んでいましたが、こっちにきて初めてドイツ語で読んだときは本当にうれしかった。特にお母さんが娘がロッテではなく、小さいころに別れたきりのルイーザと気づいたときの場面は感動的。昨年は劇も見に行きました。

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