ドイツ発 「原子力に反対する100個の十分な理由」
南ドイツの黒い森の中に、シェーナウ電力会社(EWS - Elektrizitaetswerke Schoenau)があります。
この会社は、再生可能エネルギー、いわゆる水力や風力、太陽光などによる自然エネルギーのみを供給しています。電力自由化のドイツには約1000社の電力会社がありますが、再生可能エネルギーにのみを扱っているのは、同社を含む4社しかありません。
この会社は1986年のチェルノブイリ原発での事故のきっかけに、5人の子どもを持つ主婦ウアズラ・スラーデクさんのが始めた反原発運動から発展しました。反原発を貫き、今では顧客12万人を誇ります。
この会社の「原子力に反対する100個の十分な理由」の日本語版がこのほどできました。福島原発の事故をきっかけに、日本の人々にもで原子力エネルギーの危険性について知ってほしいと、オンラインで無料で公開しています。
「原子力に反対する100個の十分な理由」は、「安全基準と健康被害」「事故と大災害のリスク」「気候保護と電力供給」など10の項目に分かれています。例えば、ウランについて「ウラン鉱山業からの強毒性の汚泥は、住民と環境を脅かす」、温室効果については「原子力からの電気はCO2フリーではない。ウラン採掘やウラン精製、ウラン濃縮には莫大な量の気候変動の原因となる温室効果ガスが排出される」、最終処分場については「世界中どこにも、安全な高レベル放射性廃棄物の最終処分場は存在しない」としています。電気料金や核廃棄物の処理などドイツの具体例もあり、日本に当てはめて考えることができます。
何年も前に同社を訪ねたことがあるのですが、ウアズラ・スラーデクさんと夫のミヒャエルさんが信念を持って活動していました。人間的にとても魅力があって、会った人が誰でもファンになるようなお二人です。南ドイツでは、いまだにチェルノブイリの名残で、野生のキノコやイノシシに放射能が見つかるといいます。
「原子力に反対する100個の十分な理由」は目にうろこの情報が満載。
ぜひ多くの人に読んでいただきたいと思っています。
原子力に反対する100個の十分な理由(日本語版)
http://100-gute-gruende.de/pdf/g100rs_jp.pdf
写真はミヒャエル・スラーデクさん
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