メッセ期間中でも、スト決行

公開日 : 2012年03月09日
最終更新 :

8日の木曜日、ハノーファーでストがありました。教育や医療、芸術、メディア、電話、交通、廃棄物関連の職業につく社員や公務員、フリーランスが所属しているヴェルディとう労働組合が計画したもの。賃上げを目指して、5000人が街へデモに繰り出し、多くの人が仕事を拒否しました。そのため役所や図書館、プール、幼稚園をはじめ、近距離交通会社のウーストラがバスや路面電車の運行を停止しました。6日の火曜日から10日土曜日までコンピュータメッセ・セビットをやっているのに、木曜日は丸一日路面電車が停止とは。職場へ向かう40万人、メッセへ向かう4万人の足がないといわれ、どうなることかと思っていました。

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セビットには世界各国から出展者、訪問者が訪れ、街は混雑します。そんなときにストで交通手段がなくなれば、街の印象が悪くなる。ウーストラ社はストをやめさせようと労働裁判所に判断をあおぎましたが、労働者はストをする権利があるとの判断でした。

Sバーンという近距離用列車は通常どおりメッセまで運行し、シャトルバスもハノーファー駅裏のバスターミナルからメッセを往復します。しかしそれでもまだまだ足りません。そこでメッセは市や銀行などと協力して「赤い点」キャンペーンを展開しました。大きく赤い丸が描かれたA4の紙を10万枚印刷。地元紙ハノーファーアルゲマイネでも赤い丸にの真ん中に「セビット」と書かれた厚紙を新聞にはさみました。メッセに行きたい人はこのように赤い大きな丸が書かれた紙を持って路上に立ち、メッセに向かう車に相乗りさせてもらおうというものです。

さてスト当日、路面電車や地下鉄の乗り場は閑散としていますが、地上ではあちこちで渋滞しています。普段何度も見かけるバスや路面電車がいっさい走っていないというのはなんだか変な感じでした。翌日の新聞には、特に大きな混乱もなく一日は過ぎた、と載っていました。メッセでも他の日よりも訪問者は少なかったけれど、1万人が「赤い点」により会場に到着したといいます。見知らぬ人、しかも海外の人を車に乗せるのは勇気がいるもの。市民の協力により混乱なく一日が過ぎたことを、みな誇りに思っています。

ちなみにハノーファーでは1969年、すでに「赤い点」運動がありました。ウーストラ社の料金値上げに反対したもので、激しいデモが起こり、警察も多数動員されました。当時相乗りOKの人は、手のひら大の赤い丸を車の窓に貼り付け、路面電車を拒否する人たちを乗せました。今回のセビットとは状況が違いますが、ハノーファーでは「赤い点」というと相乗り意味するらしい。面白いなあと思いました。

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