復活祭はディスコ禁止

公開日 : 2012年04月08日
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ドイツでは復活祭は、クリスマスと同じくらい大切なキリスト教の行事です。今年は4月6日の金聖金曜日から月曜日の4月9日の月曜日まで4連休。4月5日は聖木曜日と呼ばれ、イエス・キリストが弟子たちと最後の晩餐を食べた日になります。6日の聖金曜日に十字架に磔にされました。ですから聖金曜日は、キリストを想って静かに過ごす日となっています。

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ハノーファーの位置するニーダーザクセン州では、聖木曜日の朝5時から24時まで、土曜日の0時から24時までダンスの催し、すなわちディスコを法律で禁止しています。さらに聖金曜日は厳しく「酒類や食べ物を提供すること以上のこと」は一切禁止となっています。厳密にはダンスだけでなく、スポーツの催しもだめということ。ただし芸術や学術、大衆教育に属するものは許されています。オペラハウスではちょうど、バレエやダンス、オペラが上演されていますが、これは法に触れません。

市内には60ほどのディスコや躍れるバーがありますが、対応はさまざま。踊るスペースにテーブルを並べて歓談できるようにしたり、「ゲームの日」と称してみんなでボードゲームする店も。中には閉めてしまったディスコもあります。警察もきちんと守られているかどうか目を光らせており、住民が「信仰を邪魔された」と感じたら警察に届けることもできます。

州の法律により、復活祭の祝日をどのくらい静かに過ごすか決められているので、州によって対応が違います。カトリック教の強い南ドイツのバイエルン州やバーデンビュッテンブルグ州では聖金曜日、レストランや飲み屋での音楽の催しは一切禁じられているとか。ベルリンではディスコは朝4時から夜9時までは禁止ですが、木曜日や土曜日は許されています。「時代にそぐわない」との声もありますが、ある神父によると「復活祭は静かに自分を振り返る時間」ということですから、これでいいのかもしれません。

磔にされた後、キリストは墓に埋葬されます。しかし日曜日に墓の中から姿を消し、月曜日に復活します。ヒナが卵から生まれるのがイエス復活の象徴となっており、復活祭にはウサギ、ニワトリ、卵のモチーフにした置物やお菓子をよく見かけます。ドイツではリュックサックをしょったウサギがやってきて卵を隠すといわれており、子どもたちは月曜日に庭で卵を探します。殻に色をつけたゆで卵や、卵型のチョコレートが主流です。

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ちなみに、聖金曜日にベトナム料理屋で春巻きと麺を食べていたら、隣のテーブルのドイツ人のおばさんに「それ、肉が入っているのでは?」といわれました。「私は魚にしたのよ」とも。そう、ドイツでは通常でも金曜日は肉でなく魚を食べることになっています。それなのに、聖金曜日に肉を食べるなんて。うっかりしていましたが、まあキリスト教徒じゃないし、と思って最後まで食べました。

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