ドイツの休日、ライプツィヒ
行き止まりのドーム式の駅はヨーロッパ最大で、毎日700以上の列車が停まるといいます。駅を出て、ます市の観光案内所を探そうと道行く人に聞きましたが、早口でよくわからない。少し歩いてまた別の人に聞きましたが、先ほどきいたのと方向が違います。道をよく知らなくてもうろ覚えで教えてくれる人が多いので、道をきくときはいろんな人に尋ねるようにしているのですが、みな言うことがまちまちでよくわからない。「右に曲がって左」といわれてそのとおりに進んだのに、通常の道ではなく建物の中庭を抜ける道に入ってしまったり、「出てすぐ右」といわれて、道路を探して歩いたのに、実は真横の建物だったりと、目的地にたどり着くのがこんなに難しいのは初めて。観光案内所はあきらめて、街中心部の広場を目指すことにしました。
通りがかった若くて美しい男の子に、広場の場所を訪ねました。目を細めながら、うーん考えてから「音楽の聴こえてくるところ」と、遠くを指差します。作曲家のヨハン・セバスチアン・バッハの街だけあって、なんてロマンチックな答え。広場にいつも音楽が流れているのかしらと思いましたが、16年ぶりにきた私には広場がどこかさっぱりどこかわかりません。「詳しく教えて」というと、「あっちの方」とまた指差します。お礼を言って歩き出してしばらくいくと、オーケストラの演奏が聞こえてきました。ちょうど「クラッシク祭り」が開かれていたのです。
そうか、このことかーと納得。毎年開かれている音楽祭で、今年は12日までだといいます。せっかくなので、傘の下に腰をおろし、ランチにしました。生演奏をききながら、16年前ドイツ語もわからずに街をうろうろしていたことを思い出しました。
その後、1723年から1750年までバッハが活躍していたトーマス教会へ行きました。12世紀に建てられ、幾度かの改修を経て、後期ゴシックのホール型教会となりました。正面には荘厳なバッハの像があります。
ライプツィヒは宗教改革後の16世紀半ばから音楽の街として知られ、シューマンやメンデルスゾーンが滞在した都市でもあります。またニコライ教会で80年代から始まった平和の祈りの集会が、1989年のベルリンの壁崩壊の大きなきっかけとなりました。今ではすっかりモダンな都市に生まれ変わり、旧東時代の面影はずいぶん薄くなったように思います。またゆっくり来たいと思いました。
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