「チェルノブイリの子どもたち」写真展
ハノーファー市街地にあるニーダーザクセン州議会議事堂で、チェルノブイリの子どもたちを写した写真展「一生の間Lebenslang」が開かれています。1986年のチェルノブイリ原発事故の後に生まれた子どもたちを写したもの。事故直後からに生まれた子から、数年前に生まれた子まで年齢はさまざまですが、障害がいで苦しんでいるのは同じ。24枚の写真が、チェルノブイリの後遺症を静かに物語っています。
1988年に生まれたビクターは、生まれたときから麻痺があり、知能の発達も遅れています。両親は地球物理学者で、ミンスクから60キロ離れたところで暮らしていました。豊かな自然に囲まれ、山の実やきのこを取って食べていました。この地域が激しく汚染されていることは、1990年になるまでほとんど知られていませんでした。今では父親が仕事をやめてビクターの面倒を見ています。
1991年に生まれたパウエルは、障がいを持って生まれたため父親は去り、母子家庭で育ちました。目と左足の親指しか動かすことができませんが、絵を描くのが上手で先日は個展を開きました。コンピュータ操作もでき、フェイスブックを通じて世界とつながっています。
この写真展は、ニーダーザクセン州財団「チェルノブイリの子どもたち」の主催によるもの。財団は1992年、州議会議員を中心に設立され、一般からの寄付も多数ありました。この20年間の間にチェルノブイリを訪れること56回、300以上の超音波検査機に1000万ユーロ(10億円)、薬や消耗品に130万ユーロ(1億3000万円)などさまざまな援助をしてきました。
孤児院の写真では、障害を持った子どもたちが車椅子に乗ったり杖をつきながら遊んでいます。その無垢な表情。放射能と障がいの関連性は証明できないというけれど「証明できないから関係ない」とはいえない。大人たちのしたことが、こうして後々子どもたちに大きな足かせを残しているのだと思うと胸が痛みます。
写真展は11月22日まで、平日10時から17時。入場無料。
ニーダーザクセン州財団「チェルノブイリの子どもたち」(ドイツ語)
http://www.tschernobyl.niedersachsen.de/themen/unsere_stiftungen/kinder_von_tschernobyl/wie_geht_es_weiter/12977.html
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