ハノイ・オペラハウスが見学可能に!市劇場パフォーマンス付き見学ツアー

公開日 : 2017年10月16日
最終更新 :
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【ハノイ・オペラハウス館内見学ツアーについて】

2018年8月に本ブログの情報をもとにオペラハウスへ出かけた際、ツアーは実施されていなかったとの情報をいただきました。

(貴重な情報をありがとうございます!)

本記事、2017年秋に館内見学ツアーのスタート時に参加したレポートです。

しかし、事情によりその後ツアーの実施が変更された可能性が考えられます。

本ブログでの情報は、記事が書かれた日のものであることをご了承くださいますようお願い致します。

2018年5月末の本ブログ最終回でお伝えした通り、発展が加速するハノイは街の変化もたいへん速い街です。

今後もお店やレストラン、観光地情報は変わって行くことと思います。

各地へお出かけの際は、事前に現地へ電話、ホテルのコンシェルジュに相談し確認をしてもらうなど、最新情報を得てからのお出かけがおすすめです。

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これまで、パフォーマンス上演時以外は、内部を見学することができなかったハノイ市劇場、しかしついに館内見学ツアーがスタートしました。さっそく、そのツアーに参加して来ましたのでご報告いたします!

フランス植民地時代の遺産・ハノイオペラハウス

1911年のフランス植民地時代、約10年の歳月を費やして完成された劇場。ヨーロッパのオペラハウスに比べ規模は小さいながら、優雅で美しい姿が残り続けます。独立革命の蜂起の場となった歴史も持ち、館内「鏡の間」には、第一次インドシナ戦争時の銃弾によるヒビ割れた鏡が、そのままの姿で残されています。現在でもコンサート、バレエ、伝統芸能など、数多くのパフォーマンスが上演され、ボックスオフィスでチケットを購入し気軽に鑑賞することができます。周辺には海外のハイブランドショップや、高級ホテル、レストラン、カフェが並び、仏植民地時代の社交の中心地ならではの空気感を湛えています。

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さて、オペラハウスはハノイを代表する貴重な建築。それが、ガイドツアーという形で、より身近な観光スポットとして、館内見学ができるようになったのはうれしい限りです。しかし値段がビックリ。

一人18ドル!

40万ドンです!!(約2000円)

博物館やお寺など、市内主要観光スポットの入館料が4万ドン前後、本家フランスのパリオペラ座館内見学が11ユーロ(約1500円)、これらと比較すると、なかなか強気な値段だと感じます。さて、そのツアー内容はいかに?!

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まずはチケット購入から。現在は、月曜と金曜の10:30am~のみツアーを実施。スタート30分前ほどに出かけ、オペラハウスの窓口でチケットを購入しました。正面扉が開いたら入場可能、ツアー開始時間までは館内を自由に歩けます。やがてアオザイを着用したガイドさんが現れ、回廊、劇場、鏡の間、展示資料などを、ベトナム語で説明しながら館内を一周。ガイドはベトナム語で、外国語はありません。英語、フランス語、中国語の簡単なパンフレットがあるのみです。

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Main Hall メインホール

クラシカルで優雅なメインホールです。観客を迎える社交場にふさわしい、大理石の階段、金がほどこされたシャンデリアなど、豪華な内装を見ることができます。シンメトリーに広がる階段は、映画「タイタニック」の世界ですね。

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Auditorium 劇場

24m四方、586席、3階建ての大劇場。淡いブルーが美しいフレスコ画の天井と、豪奢なシャンデリアが印象的です。ガイドツアーでは、普段なかなか入ることができないVIP席を見学。実際に座り、その場所からの風景を体験することができます。

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Exhibition Area 展示エリア

3Fの展示エリアでは劇場のデザイン図や、かつて建築を彩った装飾タイルや彫刻の断片などを展示。また、古い時代のハノイオペラハウスの風景や、ソビエトからの芸術派遣団のバレエ公演の様子など、劇場の歴史を感じる写真資料が展示されています。

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Mirror Room 鏡の間

2Fミラールーム(鏡の間)では、贅沢な装飾によるヨーロッパさながらの部屋を見ることができます。部屋前方の大鏡に注目です。美しい鏡には弾痕が残り、大きくひびが入っています。これは1946年に始まった第一次インドシナ戦争時の銃弾の跡。独立戦争の歴史の一端を感じることができる場所です。

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チケットの代金がドルで支払えること、また、価格が高いことから外国人観光客向け英語ツアーでは?と予想していましたが、全く違いました。この日、総勢25名ほどの参加者で外国人参加は欧米系家族一組と私たち母娘のみ。圧倒的にベトナムの人たちが多数を占めた、国内の人向けツアーだったのですね。ベトナム語だけでの案内だったので、詳細を知ることができなかったのが残念です。しかし、比較的自由に見学させてもらえるので列の最後尾につきながらゆっくりと建物を見ることができました。

やがてツアーが終わり、もうひとつの山場が訪れます。オペラハウスの劇場にて30分間の、ベトナム伝統芸能のミニパフォーマンス鑑賞です!

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劇場1Fに案内され、自由に席を取ります。すると、間もなく華やかな歌のショーが始まりました。

歌、踊り、芝居、民族楽器の演奏などベトナムならではの芸能が次々繰り広げられ、盛沢山な内容で見ごたえがあります。いずれもベトナム感一杯で素敵でしたが、特に最後のパフォーマンス、Lên đồng (レンドン)が興味深かったです。

Lên đồng (レンドン)は、地方民族に伝わる交霊術の儀式のようなもので、華やかな衣装、歌、踊りで構成され、ベトナムの無形文化遺産に認定されているものです。この歌やダンスには不思議な高揚感があり、見ているだけでトランスしてしまいそう・・・。その甘美な美しさに、大変心を掴まれるものがありました。それがどんなものか、パフォーマンスの様子は掲載できませんので、ぜひ、皆さまの目でご覧になってくださいね。

☆  ★  ☆  ★  ☆

こうして、一時間半のツアーは終了しました。私の個人的な感想では、パフォーマンス鑑賞を入れてのこの値段なら納得が行くと思いました。以前、通常のクラシックコンサートを聴きにこの場所を訪れた時、隣に座った韓国から来た若い女性が、「アマデウスね!」と、席に着くなり小さく声を上げました。とてもいい表現だと思いました。ヨーロッパでのオペラハウス体験者には館内の装飾も空気感も、一概に比較できないものはあります。でも、まるで映画「アマデウス」で見たような劇場。こぢんまりとしながらも、随所にフランスの意匠を感じる建築、それがアジア、ハノイにあるということ。その存在自体が美しいと思いますし、激動のベトナム史を実感することができる場所だと思います。

まだスタートしたばかりのガイドツアーなので、今後、人々の声を活かして内容も変わって行くかもしれません。私の希望は、現行のツアーのほかに、"英語ガイドによる外国人向けツアー""パフォーマンスなしで短時間&安価なツアー"を設け、

来訪者の選択肢が広がると良いなと感じました。

☆  ★  ☆  ★  ☆

ぜひ、ハノイにお越しの際はオペラハウスへ!そして、近隣には美味しいレストランも多いので、ベトナム料理や、フランス料理など、グルメも味わい、優雅な時間をお過ごしくださいませ。

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"レンドン"の最後に、美しいシャーマン(イタコさん)を演じた女性が客席に降りて来て、気前よくお菓子を配ってくれました。持ち帰っておやつに美味しくいただきました!

それでは本日はここまで。

また来週!

*****

ハノイ特派員ブログ終了後も、本ブログを通じてハノイに関心を持っていただけることを心から嬉しく思います。

現在は日本に居り、最新情報をお届けできないことが残念でなりませんが、

皆さまのハノイ旅が、少しでも楽しいもの、幸せなものになりますよう願っております。

☆  ★  ☆  ★  ☆

Information:

ハノイオペラハウス

Tour and Cultural Performance

Charge: 18ドル 又は 400000VND

Open: 月曜・金曜 10:30amスタート 12:00pm終了

Address: Số 01 Tràng Tiền - Q.Hoàn Kiếm - Hà Nội - Việt Nam

Tel: 024-3933-0131

☆毎週月曜更新中

☆ラフスケッチ Hanoiは気まぐれに更新中

Photos & writing © Midori Nakagawa

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