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ベトナム/ハノイ特派員ブログ 仲河みどり

ベトナム・ハノイ特派員が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2017年12月11日

ハノイからサパへ!寝台列車ヴィクトリア・エクスプレスの旅


ハノイからサパへ!寝台列車ヴィクトリア・エクスプレスの旅

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ベトナム国内旅行については、週1回のブログではタイムリーにお伝えできなかったものが数多くありましたが、少しづつご紹介して行きたいと思います。今週は10月に訪れたベトナム北部山岳地方「サパ旅行記」を4日連続でお伝えします。


ヴィクトリア・サパ・リゾート滞在がセットになった寝台列車の旅


ヴィクトリア・エクスプレスは、ベトナムの有名ホテルグループVictoriaが運営する寝台列車です。フランス人ジャン・フランソワ・エナン氏をチェアマンとするVictoriaグループは、1997年にベトナム南部ファンティエット(Phan Tiet)に最初のリゾートホテルを建設、翌年にベトナムの北部、中国との国境に近い山岳地帯のサパに高級リゾートホテルをオープンしました。1999年にはハノイからサパへ送客する夜行寝台列車ヴィクトリアエクスプレスがスタート。ヴィクトリア・エクスプレスのゲストはそのまま同ホテルに宿泊するという、鉄道とホテルをセットにした、これまでのベトナムの列車旅にはないスタイリッシュなサービスを謳っています。
※公式HP参考


ヴィクトリア・エクスプレスの旅の始まりはハノイA駅から


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▲ Le Duan通りにあるハノイA駅


ハノイには駅が2つあります。A駅(Le Duan)と呼ばれるLe Duan通りにある駅と、B駅と呼ばれるTran Quy Cap通りにある駅です。A駅は大きな駅で、ヴィクトリアエクスプレスはここから出発します。サパ方面へ行く電車は数種類あり、最高級を謳うヴィクトリア・エクスプレスのほかに、リーズナブルなファンシパンやキング・エクスプレスなどがあります。乗る列車により出発駅が違うので、サパ行の際は必ずハノイ駅のAかBのいずれかを確認してください。


◆DATA
ハノイ発サパ行の列車情報
https://vietnam-railway.com/train/from/hanoi


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▲ホームへと続く駅の跨線橋。レトロ世界の近未来図のようなデザイン


出発時刻1時間前までにヴィクトリアラウンジに集合と案内されました。ヴィクトリアには駅に専用のラウンジがあり待ち時間に利用ができます。ラウンジにはソファが並び、飲み物と軽いスナックが販売されています。


日本の鉄道とは100年近く遅れてるのでは、と思わせるほど発展途上のベトナム鉄道旅はとても興味がありました。夜間だったせいか駅は閑散とし、およそ首都のメインステーションとは思えない静かさです。構内アナウンスもなく、クロワッサンが一杯入ったかごを抱えたヴィクトリアのスタッフがふらりと現れて列車まで案内をしてくれました。


ボコボコに荒れた何もない驚愕のプラットフォーム


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古めかしい電車が佇む姿がノスタルジック。舗装はブロックが地面に敷かれただけのようなボロボロのホーム、古びた電柱照明の灯り。そんなレトロな風情にびっくりしますが、ちょっと興奮します。
乗車する車両扉付近で待機していたスタッフが部屋割りを確認し、中に案内してくれました。


ヴィクトリア・エクスプレスのキャビンに乗車


「真のベトナムらしさ、植民地時代の古き良きノスタルジー」をコンセプトとしたVictoriaグループならではのクラシカルなインテリアは、雰囲気がとても良いと思います。しかしキャビンの狭さに驚きました。また、一度廊下に出ると、どれも戸が同じで、番号があるのにわかりにくく迷うという混乱が。乗客が戸を叩いて部屋探し。慣れるまで引っ切り無しにドアを叩き、声をかけられ、すこし落ち着かない旅の始まりでした。


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サパ行の列車は長い車両編成で、車両によって運営会社が違うのが特徴的です。
最後部のキャビンがヴィクトリア・エクスプレス専用客車です。独立した車両なため、他から乗客が移動して侵入することはなく、専任スタッフも同車両に常駐するのでセキュリティの信頼度は高いと思います。


それにしても狭い廊下で、欧米人ゲスト向けの造りではないと感じます。
すれ違うのもパンパン。


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歯ブラシ、水、小さなタオルなどアメニティグッズが用意されています。山岳地方伝統の織物でできた巾着袋に入っており、とても愛らしいサプライズでした。


乗客が室内に落ち着くとスタッフが挨拶と列車の説明に訪れます。その後、メニューを持って現れました。食堂車は廃止されたため、客室で食べられるルームサービスの注文を取りに来たようです。特にオーダーがなければ、翌朝の朝食サービスにコーヒーか紅茶かを尋ねられます。


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二段ベッドが左右に設置された4人用客室は、ベッドもスペースも大変狭く、相部屋になると若干辛いものがあります。往路は相席がなく快適でしたが、帰路は満員。フランス人カップルと一緒になりました。少々会話をしてなごやかに過ごしましたが、高い料金の割にプライベートスペースがないことにフランス人が困惑気味。食堂車もないので部屋から動けず、「ウェブサイトで自画自賛するほどの"デラックス感"はない」という感想に至りました。


しかし宣伝文句をよく読み直すと
"Vintage train"
それは、古き良きフランス植民地時代の上流階級のバカンスの旅?


まさに"100年前の汽車の旅"をリアルに彷彿させるレトロさに偽りはありません。現在のベトナムの鉄道事情を考えれば、この列車が他に比べ「スタイリッシュでデラックス」なのも間違っていません。価格差で乗客を差別化し、セキュリティを担保する発想も理解できます。何よりトイレが清潔だったのが好感持てました。


サパ観光の入口、ラオカイに向けて発車!


とはいえ鉄道好き、乗り物好きには魅力がある列車だと思います。フリーWi-Fiといいながら、ほとんどつながらない名ばかりのネット環境も"ベトナムあるある"な想定内。でも、ヨーロッパの寄宿舎のようなクラシカルな小さなベッドに身を沈めれば旅の始まり、そのワクワク感はたまりません。
まさに、Vintage! 
タイムスリップしたような異世界感満載で、ノリテツであれば十分楽しめるのではないでしょうか。


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夜10時。アナウンスもベルもなくガタンと動き出し出発。8時間半の鉄道の旅の始まりです。しかし、バスで約6時間で行けるサパに、列車でノロノロ8時間以上かけて行く旅とは謎です。いつかインフラが整い、高速列車が走る日が来たら、このような非効率的でセンチメンタルな旅は貴重な思い出になるかもしれません。


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街の真ん中、家屋のギリギリを走る列車からの車窓がすてきです。ビアホイで盛り上がる人々、大量のバイクが列車通過待ちをする踏切、部屋で気だるそうにくつろぐ人々の姿が次々と目に飛び込んできます。


ベッドの場所は相手がいなければ自由なので、私は二段ベッドの下を選びました。夜中のトイレに便利というだけでなく、背中に感じる列車の鋼鉄の轟音と振動がたまらなく幸せです。体中で「ビンテージ」な寝台列車を満喫できました。


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寝台の足元に、「気の利いた折り畳み式の小さなカップホルダーがあるな」と、コーヒーを置いていたら「ベッド用足掛けにコーヒーを置かないように」と注意されました。二段ベッドに上がる足掛けだったとは。どうりで足元に設置されていたわけです。


クロワッサンとコーヒーで目覚める朝

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列車は夜中じゅう幾度となく駅に立ち寄り、走る、止まる、を繰り返して8時間半。
目が覚めると緑の風景の中でした。


朝、トントントンとドアの音。
温められたクロワッサンと熱いコーヒーが運ばれてきました。


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パジャマのまま車窓をながめてゆっくりコーヒーを飲んでいたら、スタッフが「ラオカイに到着!」と荒々しくやって来ました。ハノイ出発時の "スタイリッシュなスタッフサービス" はどこへやら。さっさと降りろと言わんばかりにせかされて、クロワッサンとコーヒーを口に詰め込み、1分で着替えて5分で荷物をまとめ、転がり出るように降ろされました。


理由は到着時間は曖昧だからで、この日は若干早めに到着しました。その時の線路のコンディションなどにより到着時間が前後するのは通常です。


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朝6時過ぎにラオカイ到着。降り立った駅も、なんとも素朴な駅でした。


ラオカイ駅からヴィクトリア・サパ・リゾートへ


ラオカイ駅から約一時間、ヴィクトリア専用シャトルバスで滞在先のヴィクトリア・サパ・リゾートホテルに向かいます。私は2日間の英語ガイドによるプライベートツアーをお願いしたので、ガイドとドライバーが迎えに来て、ホテルへ連れて行ってくれました。


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フランス植民地時代、在越フランス人たちの避暑地として観光が発展した北部山岳地方の街サパ。ヴィクトリア・サパ・リゾート(ホテル)はその高台にあり、マチナカとは別世界な静けさを保っています。ベトナムらしさと植民地時代のコロニアルな雰囲気をあわせ持つインテリア&上質なサービスで、この地域で最も高級なホテルとして知られています。


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あいにく霧雨が降りしきる肌寒い朝で、ホテルには暖炉に薪がくべられていました。スタッフは親切、朝到着後はすぐに部屋へチェックインができます。少し休んだ後、ダイニングで朝食をゆっくりといただきました。これは、列車とホテルがセットになったヴィクトリアならではのゆとりあるもてなしと高評価です。


食事は洋食ブッフェほか、フォーなどの簡単なベトナム料理があり、スタンダード&シンプルながら美味しい食事がいただけます。クラシックなホテルならではの落ち着きのあるインテリア、窓から望む庭の美しさ、サービスも基本がきちんとしており快適。肌寒い10月の雨のサパでは、ラウンジやダイニングに暖炉の火がある風景が何よりもご馳走でした。


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☆Information☆
Victoria公式ウェブサイト
https://www.victoriahotels.asia/en/hotels-resorts/sapa.html


列車、ホテルの予約は上記公式ウェブサイトをご参照ください。また、日系旅行会社による「ヴィクトリアエクスプレス&サパリゾート+サパ観光」などツアーもあり大変便利です。


本日はここまでです。
明日はベトナム北部山岳リゾート「サパ観光」をお伝えします。


追記:
Victoria Express
ハノイからラオカイ行は駅にラウンジ付き、案内人付きでしたが、ラオカイ発は何のサービスもなく完全放置。「ヴィクトリアはどれっ?!」と叫びながらホームを走り必死でした。皆さまは乗り遅れない様、落ち着いて列車を確保してくださいね。似た時刻前後に、ハノイ行の別の電車も出発します。必ずチケットや、予約時の詳細プリントアウトを見せ、改札スタッフに時刻の確認を。


Photos & writing © Midori Nakagawa

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カテゴリー 交通・鉄道・航空 旅行・ツアー・ホテル 見所・観光・定番スポット
2017年12月11日
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      仲河みどり
      タイ、イギリス在住時代に海外生活をテーマにブログを始め、コンテスト形式の日記サイト「bjダイアリー」に参加。書籍化されオムニバス集に掲載。その他、訪日外国人旅行者のためのオンラインガイドブック「Planetyze」のライターとして活動。「地球の歩き方」特派員ブログには2016年11月から参加。同サイト「ニュース&レポート」ほか、大手企業への寄稿、企業HP制作(文章担当)、翻訳などを手掛ける。 DISQUS ID @midori_n

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