桃がほころべばお正月がやって来る☆2018年テト便り☆

公開日 : 2018年02月02日
最終更新 :
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私にとって今年の2月15日と2月16日の間には、本来ならば何もない日常です。でも、そこに今年も句読点が置かれようとしています。もうすぐベトナムのお正月、テトムがやって来ます。

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テトと呼ばれる旧正月で新年を盛大に祝うベトナム、私のテトへの気持ちの高まりは桃の花で始まります。「魔除け」として桃の花を飾って新年を迎えるハノイ。街にはに桃の花が溢れ、自転車で売る女性、そんな姿を見るようになると、「今年もベトナムに新年がやって来る」と、うれしさが心に満ちていく素敵な季節の到来です。

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早速花市場へ。テントが立ち並ぶ市場の場外には、今年も桃がたくさん並んでいます。元旦までまだ2週間以上あるので、今桃を買う人はまだ少ないかもしれません。

「桃の枝を買うのはタイミングが難しい。テトに向かってどんどん値段は高騰していく。でも、あまり早く買ってしまうと大事な元旦には花が終わって葉ばかりになってしまう。その丁度いいタイミングを読まなきゃいけない。」

そう、熱心にアドバイスをもらったのは昨年でした。

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枝と言ってもダイナミックです。

日本の桃の切り花と違い、ベトナムの桃は樹木のように枝が張り、飾れば桃の木がそこにあるかのような華やかさ。

枝は60㎝ほどのものから1mを優に超すもの、根ごと掘り返して巨大な鉢植えに仕立てた3m近くもある物もあり、縁起物だけに家の格、財力などで、飾る桃の大きさが変わります。しかもそれを玄関ホールや室内で飾るので豪快です。

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私は70㎝ほどの枝を買いました。この小ささでも枝が広がり、花瓶に挿すと倒れる重さです。

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花市場から1時間ほどかけ、ゆっくり歩いて市内まで。愉快だったのは、桃の枝を持って街を歩いていると呼び止められて「その枝、いくらだった?」と、何人もの人に聞かれたことです。ベトナムの奥様たちには、桃の値段が気になって仕方がない時期のようです。

「10万ドンで買いました。高いですか?」

※10万ドン=約500円

と聞くと、

「う~ん、まあまあ」

という反応ばかり。

「この枝いくらで買えたと思いますか」

と聞き返すと、

「80000ドンかなあ」

と。

でも、何か含みがあるなあ。

きっと、高く買ってしまったんだな。

ああ、ベトナムの値段はもどかしい。

と、身悶えするのも楽しいベトナムの日々です。

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もう買った人を見つけては値段を聞き、「買い時」を読んでいるようです。枝がすんなりと伸びて美しく、生きのいい蕾をたくさんつけた桃を、テト前に咲き終わらないタイミングで安く買う。桃の枝を持って歩いているだけで、こんなに現地の人々に声を掛けられるとは思いもよらず、少しだけベトナム・マダムに近づけたような気分です。

もう一人、愉快なおばあさんと市場で会いました。

そのおばあさんは、捨てられた桃の枝を素早く拾います。

私がその様子をじっと見ていたら、近づいて来てそれを自慢げに私に見せてくれました。

ベトナム語でしたが、間違いなくこう言っていたのだと思います。

「よく見てごらんよ。ほら、たーくさん蕾がついてるよお。ほーらほら。」

若い緑色の、すでに葉が茂りだしてしまったその細い枝をよく見ると、本当です。ぷつぷつと、枝にたくさん小さな蕾を付けていました。

そのおばあさんは、市場へは買い物が目的ではなく、捨てられた枝を拾うのが目的だったようです。その後、なぜか私と手をつなぎ、花市場のいらない枝探しを続けました。無造作に地面に投げられたまだ若い葉や、クズのようになったけれど、まだ生きていそうな枝を集めました。それでブーケを作って、それはうれしそうに見せてくれました。

おばあさんは、必ずその蕾を見事に咲かせると思います。

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我が家の今年の桃の枝です。

ベトナムでは、桃の枝にオーナメントを飾って正月を祝うのが伝統です。

ややさびしいので、今年はもう少し飾りを増やそうと思います。

ならば、旧市街へ買い物へ。

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Photos & writing © Midori Nakagawa

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