テトといえば、これ

公開日 : 2009年01月23日
最終更新 :

 前回に引き続き、テトの話題で。

 ベトナム人にとって、旧正月テトは他とは比べられないほどの祝日ですが、そのテトを代表する食べ物が「バインチュン/Banh Chung」。

 豚肉、緑豆などの具ともち米をゾン(Dong)と呼ばれる葉で四角く包み、長時間ゆで上げた、日本でいうところのちまきのようなもので、ベトナムの正月料理に欠かせない1品です。南部や中部では「バインテト/Banh Tet」と呼ばれ、円筒形に作られます。長時間ゆでられるため内部は完全殺菌、幾層にも重ねられた葉と葉の間にもち米のねばりが染み出し、外部の空気を遮断するため、長期間の保存もできます。

 テトが近づくと街なかのあちらこちらにこのバインチュンを売る屋台が無数に現れ、ベトナム人が大量に購入する姿を見ることができます。

 そんなバインチュンなのですが、実はベトナムの始祖であるフン(Hung)王にちなんだ由来が伝えられています。

それは…

 フン王が大勢いる子ども中から世継ぎを決める際、王にふさわしい力と智恵を持つものを探すため、王子たちに試験を出しました。その試験とは「先祖を奉るのにふさわしく、なおかつ王の舌も満足させられる料理を作れ」というもの。

そんな難題を前に、多くの王子たちが王を満足させられない中、末っ子の王子が作ったもの、それがバインチュンだったのです。当時はまだ貴重だった食材を余すところなく使い、なおかつ美味しい、そんなバインチュンに王はほれ込み、それ以来、先祖供養の意味合いもあるテトの時期に、好んで食べられるようになったと言われています。

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バインチュンの四角い形は、広大なベトナムの大地を表しているとか。南部のバインテトには肉や緑豆のかわりに、メコンデルタ特産のバナナが入ったものもあります

 とはいえ正直なところ、そんなに驚くほどの美味しさではありません。ただ、もちもちとした食感が、日本人にはちょっとお正月(?)な気分にさせてくれます。街で見かけたら、王を絶賛させたというこの料理、ぜひ試してみてください。

では、また次回。

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