新型肺炎について1:予防は基本の徹底が大事
中国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎ですが、旧正月で世界中に拡散する危険性が出てきました。香港ではふたりの男性から新型のコロナウイルスが発見されたことが確認されています。
筆者は2003年に香港を襲った重症急性呼吸器症候群(SARS)の時、いろいろ取材をしていました。その時の経験からいいますと、感染者が香港に来るというのは個人行動に基づいて行われるので基本的に止められません(そもそも本人も感染しているとは思っていないことがほとんど)。となりますと、香港政府としては水際での対策を行うしかありません。つまり、肺炎の拡大については個人レベルではどうすることもできません。
ただし、自ら感染を防ぐことはできます。SARSのときは「手を洗う」、「うがいをする」、「マスクをつける」、「人が密集するところを避ける」...つまり、インフルエンザのように、基本的なことをするしか感染を防ぐ方法はありません。
不幸中の幸いで、香港は現在、ふたりの感染者にとどまっていますから、もし香港にいた場合、感染のリスクはそれほど大きくはありません。また、SARSを経験したことは非常に大きく、コロナウイルスによる感染症の一番ノウハウを持っているのが香港なので、ある意味、安心できる都市かもしれません。現在は、飛行機を中心とした交通網の発展により、香港、アメリカ、日本、ヨーロッパ、南米...世界中どこにいても新型肺炎にかかる可能性がありますので、繰り返しますが上述の基本をしっかりと行っていけば、感染のリスクはかなり下がっていくことを覚えておくことが大事だと思います。
筆者
香港特派員
武田信晃
新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。
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