新札に敬礼!

公開日 : 1999年11月12日
最終更新 :

10月30日の夜をもって、トルコは冬時間に切り替わった。日本との時差は7時間。つまり日本での正午はトルコの同日朝5時ということ、ゆめゆめ国際電話などなさらないよう。さて、休日ではないけれど、トルコ国民にとって忘れてはならない日がもう一つ残っていた。トルコの父、ケマル・アタチュルクの命日11月10日である。彼が亡くなったドルマバフチェ宮殿の一室では、時計の針は永遠に9時10分を指し示したまま。国民に開放された宮殿から、涙乍らにアタチュルクを偲ぶ女性の生放送が行われている。アンカラのアタチュルク廟では大統領デミレルがメッセージを記帳し、楽隊が国歌を吹奏、広場を埋め尽くした陸海空軍の帽子が揺れた。私はその日、カイセリのとある工場の中で仕事中であったが、工員たちは5分前になると勢い良く巨大な工場内のアタチュルク銅像の前に整列した。イスタンブールではボスポラス大橋を急ぐ車までもが静止。ばかばかしいと笑うものは誰もいない。トルコ全体が母国の永遠のヒーローに黙祷をささげた。そういえば出る出るといわれながらなかなか出なかった新札、10ミリオン札(約2千円)も1日前にはついに発行された。朱も鮮やかな札面では、やはりアタチュルクがじっとトルコの国民を見つめている。

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