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トルコ/イスタンブール特派員ブログ 旧特派員 髙谷 一美

トルコ・イスタンブール特派員が現地から中東地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2000年2月22日

正しい羊の捧げ方


正しい羊の捧げ方

私はトルコ料理は全般においしいと思ってるし、好きであるが唯一苦手なものがある。イスケンベやケッリと呼ばれる胃袋や頭骸骨のス-プである。会社に入ったばかりの頃、嬉々として近くのイスケンベ屋(たいていは専門店である。酒飲んだ後や深夜にも飲まれるあたり、日本のらーめんやの感覚に近い)に私を連れて行き、「美味いだろ?なっ」という上司を前に、言葉が出なかったことがある。トルコのスーパーでは、クノ-ルのインスタントスープの中にもあるから、オミヤゲとしては結構いいかもしれない。


さあ、クルバンバイラム(犠牲祭)である。イスラム教の宗教祭としては最も大きいものの一つ。イスラム暦に従うので、毎年約10日早まっていく。今年は3月16から19日が4連休となる。この時期が近づくと街で羊の大群を見掛けることが多くなる。山から群れを成して上京する、祭り用の羊たち。ドナドナドーナードーナー。クナ(ヘンナ)で頭と背中を染められた子羊を、おいしそうっていうトルコ人もいるけれど、日本人としてはやっぱりなんだかしんみりしてしまう。


犠牲祭の起源は聖書に見つけることが出来る。旧約聖書、創世紀。神は忠実な僕であるアブラハムを試す。息子イサクを捧げよと命じるのだ。最愛の我が子をも捧げようとしたアブラハムの信仰心を確認した神は、すんでのところで羊をつかわし、これを息子の代りに捧げよと告げる。このエピソードを現在にまで受け継いだイスラム教徒たちは、犠牲を捧げることによりアッラーへの忠誠を誓い、信仰を確認する。ちょっとした広場は全て血に染まる。その手際はたいした物だ。犠牲(クルバン)は決して苦しませてはならない。


肉塊となって木にぶら下がった羊。それは神聖な儀式なのだが、そのお腹を割いた時の、飛び出してくる内臓の匂いが私を現実に引き戻す。うわー。イスケンベの匂い。内臓の中でも、イスケンベスープとなる胃、ココレッチという炒め煮になる腸は特に人気。数家族共同で羊を購入した場合は取り合いになることも。そして小分けされた肉塊は、油漬などに保存加工されたりもするがほとんどは親類や近所などにおすそ分けされる。基本的にバイラム中に消費すべきものであるらしい。捧げたくても捧げられない人たちだって、こうして祭りに参加する。


さてバイラムに3週間を残して、政府はこの休みに3月13日、14日、15日を追加すると発表した。冷え込んでいるツーリズムの需要喚起が主な目的で、これによって3月11日から19日まで9連休の大型休暇となる。この時期トルコを訪れるなら、バイラム前後は空港、バスターミナル共に大変混み合うので、充分早目の予約や出発を心がけて。

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カテゴリー レストラン・料理・食材 生活・習慣・マナー
2000年2月22日
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