トルコリラ大暴落

公開日 : 2001年02月28日
最終更新 :

犠牲祭を目前にすごいことになってしまった。ある朝目覚めたら、トルコリラの価値が半分になっていたのである。両替所や銀行はとんでもない交換レートを提示したかと思うと、いきなり両替業務を停止したりした。ここ1年、記録的にトルコリラの下落は止まっていた。特にこの6ヶ月は1ドル670000リラから690000リラというレートをずっと維持してきた。年末の経済危機のときも外貨レートは影響を受けなかった。それが、その日の朝はいきなり1ドルが2000000リラ!昼までには1400000に、夕方には950000まで下がり、翌日以降は700000から950000で推移している。街の両替所の買いと売りの交換レートの幅はかなり縮まってきたが、主な銀行のレートは未だ、買いが750000なら売りは1200000と大きな隔たりがある。実際のところ、外貨は売りませんと宣言したも同じだ。

まあ旅行者にとってはこれは美味しい話かもしれない。持ってきた外貨を差し出せば、今までの2,3割増しの現地通貨が手に入る。町の物価がそんなに変わったわけではないから、外貨表示の高級店に行かない限り、街丸ごと2割引セールってところだ。

ただ住んでいる者にとってはそうはいかない。この状態が続くなら巨大なインフレと物価上昇が待っているのは自明の理だ。国産タバコは早々に値上げを断行したし、タクシーメーターも初乗り料金は押さえたままで課金単位秒数を短縮したようだ。外貨の借金を抱えるものにとってはいきなり借金が倍化したも同然。海外からの投資や借り入れ金をもとに積極経営を展開してきた会社や銀行だって倒産の危機だ。ああ、預金を全部下ろしたほうがいいかしら?

バイラムの海外旅行を楽しみにしていた人々はどうだ?旅行会社は次々と、催行が決定していたツアーをキャンセルし始めた。旅行客の多くは、トルコリラの分割払いで旅行代金を支払う。しかし催行元の旅行会社は、海外の手配会社やホテルに外貨での支払いをしなければならないわけで、このまま催行すれば大赤字になってしまう。それで、ツアー自体をキャンセルしてしまうわけだ。もちろん自分の会社が心配で、自ら旅行を取りやめた人もたくさんいる。望んだか望まなかったかの違いはあるが、とにかくこのバイラムのトルコ脱出組の数はごっそり減ったことになる。

報道規制が入ったのだろう、2日目からテレビやニュースでは、外貨レートの話題はぴたりと取り上げられなくなった。多くの専門家は、最終的には850000あたりで落ち着くだろうと見ているが、それもバイラムが終わってからの話になりそうだ。

旅行者のみなさん。今はレートが各両替所でばらばらでも、トルコ人はあなたをだまそうとしているのではありません。再両替はいつもは簡単だったトルコですが、今はかなりの損を覚悟しなければなりません。必要な分だけを。また銀行も混乱しています。ATMなどが急に使えなくなることも考えられます。カードだけに頼るのは危険でしょう。ある程度の現金を用意されたほうがいいですね。

特に治安が悪くなったわけではないので、その点はどうかご心配なく。

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