マクドナルド考察
卒業旅行のシーズンなので、イスタンブールでもバックパッカーをよく見かける。話をする機械があると、また旅に出たい気持ちがうずうずする。
その昔は私も長い休みがあればすぐ日本を飛び出していた。
初めて出た旅行が19歳の時の35日間ヨーロッパの美術の旅とやらで、美大のデザイン科らしくカメラやスケッチブックを持ち歩いていた。この1回の旅で、すっかりクラシックな美術館は食傷気味になった。代りにハマッたのが現代美術と雑貨の白黒撮影。なかでも世界各国のマクドナルドのごみ箱の写真をコレクションしたものだ。マクドナルドのごみ箱は、どの国でも大抵が同じようなデザインで、必ずその国の言葉で「有難う」と書かれている。サンキューだったり、グラッツェだったりダンケだったりキートスだったりテシェキュル・エデリムだったりする。有難うとこんにちはだけは、現地語を覚えることにしている私には、とてもいい記念品だった。自分で引き伸ばして部屋の壁にずらりと貼っていたが、何回もの引越しを繰り返すうちに紛失してしまったようだ。今でもちょっと惜しい気がしている。
マクドナルドと言うのはその国に土着しようとする企業だから、それぞれの国でリージョナルなメニューがあったりして結構楽しい。トルコのマクドナルドの独自メニューを紹介して見ようか。
まず飲み物に国民的ヨーグルトドリンク、アイランがある。定着しなかったようだが、マックエクストラとかいうキョフテ(トルコ式ミートボール)ハンバーガーがあった。マックロイヤルというハンバーガーも日本にはないように思うが、これは実は食べたことがなくてよくわからない。極めつきはラマザンの時のマック・ピデ。ラマザン・ピデを使用したハンバーガー、ポテトの変わりにシガラボレイ(タバコパイ)。マクドナルドで一日の断食を終了させるのもなんだか罰当たりな気がするが、アイデアとしては興味深かった。
トルコのファーストフードは、案外高価である。日本よりも高くて、セットで500円ぐらいもしたものだから(ドネルサンドとアイランで済ませればその4分の一で済む)、若者にとってはデート途中の彼女を連れて行っても恥ずかしくないところだったし、月300ドルくらいの収入のお父さんにとっては年に一回、きばって家族を連れて行くレストランだったかもしれない。
ただ2月19日からの経済危機は、ファーストフード業界をも揺るがしたようで、マクドナルドが1250000TL(現在のレートで約166円)のセットメニューを出したのをはじめ、アービーズが1950000TLと追随、バーガーキングはドゥルムの販売を始めた。おそらく経済の先行きが見えてくれば消え去ってしまう、今だけメニューかと思われる。
ちょっとファーストフードにはうるさいよという学生諸君。トルコ・ファーストフードを試してみたら、ぜひとも評価を教えてね。
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