アザーンを待ちながら

公開日 : 2001年11月29日
最終更新 :

夕刻タクシム広場に爆発音が響いても、すわ爆弾かと身構えてはいけない。トルコは今、ラマザンの真っ最中である。戦争のせいか、今年はイスラム教の宗教習慣であるこの時期の断食について、知識を深めた方も多かろう。夕刻、日の入りとともに響き渡るアザーン(モスクから流れてくるアラビア語放送)を、食卓に陣取った人々は今か今かと待ちかねる。場所によっては、花火や爆竹で1日の断食開けイフタルを知らせる。

この時期、各公園などにはラマザンチャドルと言われる大きなテントが張られ、イフタルの食事を無料提供する。貧しい人々専用なのかと捉えていたが、先日ウシュクダルのチャドルに制服の高校生が入っていくのを目撃。

地域性にもかなり左右されるようだが、他宗教の外国人が興味本位で入っていける雰囲気ではない。うちの旦那は一回潜入してみたくてしょうがないらしいのだが、トルコ人の友人たちも賛否両論といったところだ。

一般的にはイフタルソフラス(食卓)は施しを受けるのではなく、自分で用意するもの。余裕があるならレストランに出掛けるのもいい。この時期各ホテルやレストランは、腕を振るった豪華なイフタルを用意している。ギュルラチというお菓子ややラマザンピデなどこの時期特有のものもある。本来飢える人々との気持ちの共有を図るといわれるこの断食も、今では盛大なお祭りの側面を見せている。他宗教徒とてお金を出して食事を楽しむのなら、罰当たりともいわれまい。

さて、今年のイフタルは古き良きオスマン時代をしのぶキョシュクに出掛けてみたい。東屋と訳されていることが多いが、こういった小さな別荘はイスタンブールの各宮廷や公園に点在している。多くは木築で、凝った内装やノスタルジックなスタイルが興味を惹く。市の管理下に置かれた施設はここ数年に次々と補修改装して、BELTURという市系の株式会社が運営している。

旅行者にとって行きやすいのはMALTA KOSKあたりか。チュラーンパラス・ケンピンスキホテルから海とは逆側に広がるユルドゥズ公園の最も高い位置に位置し、ボスポラスを見下ろす景観もなかなかのもの。緑豊かな公園は春夏秋冬美しく、結婚式を終えたばかりの花嫁に出くわすことも。

少しクラシックなワンピースでも着て、イフタルを知らせるアザーンを待ちましょう。

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ユルドゥズ公園入り口は İ.E.T.T.(市バス) で Beşiktaşから Ortaköy 方向に向かう全てのバスが通る。Beşiktaşから歩いても10分くらい。ただしキョシュクのあるのは丘の上なので、公園の中をかなり歩くことになる。タクシーならキョシュク前まで連れていってくれる(公園内の車の乗り入れは有料)

Malta Köşkü:

Adres: Yıldız Parkı Beşiktaş/İSTANBUL

Tel: 0212 258 94 53 - 258 94 93

Fax: 0212 258 94 53

各キョシュクへの行き方や食事内容などの情報は

www.beltur.com.tr

で得られる。

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