W杯効果

公開日 : 2002年08月14日
最終更新 :

成田からのトルコ航空直行便で満席が続いている。便によっては1席の余裕もないそうで子供連れの乗客にとってはかなり辛い旅であるらしい。新聞による発表を見ていても、日本からトルコへの観光客は15%増なのだそうだ。これは明らかにW杯効果なのである。

W杯でのトルコナショナルチームの活躍は、彼らの母国トルコへの人々の興味も喚起してくれたらしい。少なくとも「黒い布かぶって生活しているの?」などと勘違いした質問をされる回数が劇的に減った。代わりに首相エジェビットの病気やインフレのこと、EUのことなど1歩踏み込んだ質問が増え、「得体の知れない中東の国」から「エキゾッチックなヨーロッパ」扱いする人が増えた気がするのだ。そして私はこれを、イルハン・マンスズ効果と呼んでいる。

イルハン・マンスズは、ドイツ育ちのプロサッカー選手で、トルコ国内でこそベシュクタシュの若手として注目されつつあったものの、国際的にはまったく無名だった。それがセネガル戦での金星以来、世界的スターになってしまった。活躍という意味では、GKリュシュトゥやハッサン・シャシュの方がよほど、と思うのだが、イルハン人気はそのルックスの賜物。サッカー選手にならなければモデルになっていた、というタタール系の愛嬌のある甘い顔は、特に女性ファンをがっちり獲得。日本の女性誌の表紙になったことも、「日本の女の子達は今だイルハンを忘れていない」とか「サッカーのことは何も知らないかもしれない、でも...」などという見出しでトルコでも報道されている。このイルハン・マンスズ選手の容貌は、ひげ、ターバン、怪しい雰囲気などという今までの間違った日本人からみたトルコ人想像図を大幅に訂正させたことだろう。リーグ開始を前にナイトクラビングする現代っ子振りも、イスタンブールを砂漠だと思っている人々の誤解を解くのに役立ったに違いない。イルハン・マンスズはトルコのイメージアップに本当に貢献したと思うのだ。

イルハンに会いに行こうツアーまで企画される日本でのイルハン人気。いつまで続くかは解らないが、国内リーグ戦も始まったとはいえ日本で情報を得つづけるのはなかなかに難しいに違いない。ただ国内にいてさえも、このリーグ戦は生でテレビ観戦するにはDIGITURKという衛星放送及びリーグTVとの契約が必要だ。レストランなどで、DIGITURK BURADAなどと張り出してあるのは、ここではDIGITURKとの契約があって試合が見れますよ、ということを知らせて客引きしているのだ。またイルハン所属チームベシュクタシュのホーム、イノニュスタジアムは、ドルマバフチェ宮殿の目の前にあり、新市街中心タキシム広場からでも歩けないことはないくらいの好位置。BJK博物館などもあるので、観光ルートに加えてみるのも面白い。

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チケット入手は当日並ぶのが王道だが、ベシュクタシュ、ガラタサライ、フェネルバフチェ、トラブゾンなど人気チーム同志の対決の場合は、かなり難しい。通年チケット以外は1週間前ぐらいにならないと売り出されないので、旅行前に確保しておくのは困難かもしれないが、それ以外のカードなら比較的簡単に手に入るだろう。ベシュクタシュの試合スケジュールは で確認のこと。

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