空港へはメトロで

公開日 : 2002年12月24日
最終更新 :

12月20日、2003年までカウントダウンを始めるイスタンブールの地下を、花に飾られた列車が走った。旧市街のメトロはアクサライからイエニボスニアで終わっていて、長い間その先が開通することはなかった。イエニボスニアといえばもう空港はすぐそこである。数年前に空港の新国際線ターミナルが出来た時から、到着ロビーの更に下に続くエレベーターの用意は整っていた。メトロの空港駅もとうの昔に出来上がっているという話しだった。開通が遅れたのは、メトロで市内へ向かう客が増えるであろうことから直接的に大打撃を受けることが予測される空港のタクシー協会の大反対があったからと報道されたが、どこまで本当だったか定かではない。リムジンバスや空港周りのホテルなどにとってもコトはマイナス要因であろうし、誰かがどこかでお金を積んだのさと市民は噂する。良くも悪くもそういう慣習は、未だ残っている国である。

とにかく、その長い間お預けをくらっていたメトロ空港線がついに開いたのである。さっそく乗って見た。告知では情報が十分でなく、「新しく」開いた「イエニボスニアー空港線」が従来線とは相互乗り入れするのか、それとも乗換えなのか。料金は変わるのか等の不明点があったのだが、これらの質問には政府観光局でさえ答えをくれなかったからである。トルコでは情報はいまだ自分の足で得なければいけない場合も多い。メトロ事務局は忙しいのか、電話に出る人もいなかった。

アクサライからの旅は快適だった。思ったより長くかかる。約30分ほど。もっと早くてもいいと思うが、開通して間もないのでまだ調整中の部分があるのかもしれない。しかし、アクサライから乗り換えなしで空港につけるし、トルコのメトロは鉄道ほど汚くない。かなりクリーンで乗り心地のいい乗り物である。雨や雪の多いイスタンブールの冬、空港に向かう道路は一旦混み出すと逃げ場がなく、飛行機を逃してしまった人はたくさんいる。私も経験がある。そんな交通渋滞の心配をしないでいいのはメトロの最大の魅力だ。料金も750,000TL(65円)とアクサライからの今までの均一料金のまま。空港リムジンが5,000,000TL(420円)ほどするのに比べれば断然安い。タクシーで市内に出るのは約1000円からというところなので雲泥の差といえる。

ただし、自動化されている改札ではジェトンを入れて回転棒を回さなくてはならない。係員がいるところでは手伝ってくれるだろうが、今のところスーツケースを抱えてこれを通りぬけるのは中々辛い。エレベーターもない駅でも、地下への移動中荷物は苦になるだろう。荷物を考えれば、やはりリムジンやタクシーがいいかなと思う人も多いに違いない。またタキシムや新市街方面に宿を取っている場合はアクサライで他の乗り物に乗り換えなければならないから面倒ではある。1番恩恵を受けるのは、自分で楽に運べる程度の荷物を抱えた旧市街宿泊組といったところだ。

年末年始トルコに自由旅行に来る人がいたなら、空港から市内への移動の選択肢に、ぜひメトロを加えておいてもらいたい。まだ湯気が出そうなこの線は、どのガイドブックにも載っていないから。

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