炉端焼き

公開日 : 2003年03月29日
最終更新 :

3月も終わろうというのに、まだまだ寒い。戦争がはじまり、不景気は長引き、いろいろな意味でも寒寒とした早春である。

寒い時に行くレストランに、オジャックバシュと名のつく一連のレストランがある。レストランというよりは居酒屋?なのかもしれない。おじさんたちが、ホワイトチーズやピクルスや青菜のヨーグルト合えをつまみに、ゆったりとラクを飲んでいる、そんな店も多いのだ。

オジャックとはコンロやかまど、炉のこと。バシュとはその目前という意味なので、合わせて炉端焼きとでも訳そうか。店のどこかに細長い金属製の炉があって、炭火が赤々と燃えている。ウスタといわれる調理人が、その炭を加減しながら、練り物や肉、野菜などを串刺しにして、炉にかざし、焼き立てアツアツを食べさせてくれる店なのだ。

たいていはテーブル席もあって、前菜からゆっくりちびりちびりやりたい向きにはそちらもお勧めだが、あたたかい炭火にあたりながら、目の前でいい色に焼きあがって行く料理とウスタの手腕を見ているのはほっこりと楽しい。特にチョップシシと呼ばれる細かい肉片を長い鉄串に刺したものは、こういったオジャックバシュ以外のケバブ屋ではあまり見かけない。10本くらいが一皿分で、好みで鉄串を1,2本まとめて持ち、肉の部分に薄いパンをかぶせて握るようにして引きぬく。あとは生たまねぎやイタリアンパセリなど好きな香味野菜をいれて、ラップサンドの要領でいただく。炭火の弱い部分にかざしたまま薦めてくれたり、5本ずつ時間差で焼いてくれたりするので、最後の一本まで香ばしく美味しい。

洗っただけでばさりと大量に添えられてくる香味野菜の中にも、ルッコラやイタリアンパセリなど、日本では貴重なものもある。私は、たまねぎとイタリアンパセリとトマトを細かく刻んでゆかり(乾燥赤しそ)で合えたサラダが大好き。これもオジャックバシュで覚えた味だ。

戦争が終わるまで、トルコ行きは控えようというあなた。せめて自宅で、この簡単なサラダでトルコ気分を味わっていただけないものか。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。