ギュルラチ(バラの香りのミルフィーユ)

公開日 : 2011年08月25日
最終更新 :
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ラマザンの食べ物といえば、ラマザンピデといわれる平べったい円盤型がつい投げたくなる特製パン。イフタルや朝の夜明け前の食事サフルに間に合うように焼きあがるので、そのころのパンやの前の行列と、イーストのいい香りは思わずふらふらと吸い寄せられます。それからもうひとつ忘れてはならないのが、このギュルラチ。麦のスターチで作った、ほら生春巻きに使うライスペーパーに良く似た円形のぱりぱりした皮のあいだに胡桃やピスタチオなどのナッツを砕いたものをはさみ、砂糖で甘くした牛乳に浸して、あとはざくろやらイチゴやらで飾ったスイートです。写真はホテルの大皿盛ですが、通常は一人分ずつ四角くカットしてサーブされます。

ところでこのギュルラチ、トルコスイートにしてはかなりあっさりしたほうなのに、好きな人と嫌いな人にぱっきり分かれます。その秘密は、香り。鼻を近づけてくんくんすると、甘いロマンチックな香りがしますが、食べ物の香りではない。石鹸を食べているようだとうちのだんななどはのたまいます。その香りとはバラ。ギュルとはバラのことで、香り付けにはバラ水がふんだんに使われています。千夜一夜物語などではバラ水は王様の通る道に振りまいたり、手や足を洗ったりします。アラビア世界ではそんなにめずらしくないですし、トルコ人も、トルキッシュデライトといわれるロクムにもバラ味がありますし、バラのつぼみをハーブティーにしたり、バラの花びらジャムを作ったりします。なんてエキゾチックでロマンティック!と私は出会ったそのときから大好きなのですが、トルコ人の友人の中にも「うえっ、香水口に振りかけられたみたい」というやつがいて「トルコ人の癖に」「あんたこそ日本人の癖に」と言い合いになります(笑)

昔のお医者さんはバラを薬として処方した記録も残っています。トルコではウスパルタのバラといわれる品種がトルコのバラ水の主な原材料ですが、日本ではダマスク・ローズの名のほうが分かりやすいのかも。食べられるバラ水、もちろんうがい薬や化粧品としても使えますよ。

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