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イスラエル/エルサレム特派員ブログ 旧特派員 大岩 功

イスラエル・エルサレム特派員が現地から中東地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2011年1月30日

多民族国家と日本人国家


多民族国家と日本人国家

 ここエルサレムでは毎日の通勤バスがたくさんの民族でごった返しである。日本でも外国人労働者が増えてきたと聞くし、私も帰国時に電車などで目にする機会が増えている。が、あなたが今日目にした道行く人波は、いまだ9割を遥かに越えて日本人であろうと察する。

 対してイスラエルは「人種のメルティグポット」と呼ばれる、多民族による寄せ鍋状態である。ざっと挙げても、多数派のヨーロッパ系ユダヤ人(白人)をはじめとして、イスラエル系パレスチナ人(アラブ人)、エチオピア系ユダヤ人とスーダン難民(黒人)、私を含めてフィリピン人やタイ人といったアジア人労働者(モンゴロイド)などがいる。そしてこのほとんどが1948年のイスラエル独立後に来た「移民」なのである。

 今日はそんな「エルサレム名物・民族共生バス」の紹介をしようと思う。先日乗ったこのバスの様子を再現してみると、大体こんな感じである。

 黒いスーツ姿のユダヤ教徒のクルクル巻きのモミアゲがバスに揺れている横で、イスラム教徒の若い女性がブブカとセレブ派巨大グラサンでその溢れ出る魅力を隠し、信仰者らしく控え目に座っている。筋骨隆々な南米系の腕がTシャツからニョキニョキと二本出ている。後ろをエチオピア黒人特有の顔立ちを残す子供が駆け抜けていく、母親は聖書を読みふけっている。フィリピン人介護労働者が買い出しに行くらしく立っている、そこへ隣から小柄なロシア系初老の女性にショッピングモールはどこかとロシアなまりの酷いヘブライ語で聞かれ、ヘブライ語が分からないので英語で「ソーリー、ワタシ、ヘブライゴ、ワカリマセン」的な切り返しをしたが、結局二人とも同じバス亭で降り、気まずくも同じショッピングモールに消えていった。

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工事中の市電線路を行くバス(完成は来年!...と言いながらはや5年経過、完成すると右上のような街になるらしい)

 皆がすべて日本人で日本語を話し、すべからく日本文化に精通しているから「遠慮が大事」で「あの人KY(空気読めない)ね」と嘲笑するか少々憤慨する程度で済むが、ここでは遠慮などしていたらバスさえ止まってくれない。先日バス停でちょっと下を向いていたら、待ちかねたバスはハチャメチャなスピードで一過していった。まったく、遠慮がちに待っていて寄ってくるのはTaxiの運ちゃんとハエくらいだから困ったものである。

 であるから、ここでは「マ?マ・アタ・ロツェ(ナニ?お前ナニ欲しいの)?」なんていうトンでも表現が老若男女・民族の序列を問わず「今日はいい天気ですね」的な頻度で使われている。ここでは何でもはっきり言っていい。誰も共通の感覚を持たないのだから、「かく恥」も「読む空気」もありはしない。重要なことは分かり合おうとする姿勢である。

 もっとも、旅人のあなたにとって古来より「旅の恥はかき捨て」というから、なにをするにも遠慮することはない。

 →エルサレム名物・民族共生バス(普通の市内バス):6.2シェケル(乗換可)

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2011年1月30日
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