気になるイスラエルの渡航前情報 (治安、衛生、言語、物価・通貨、人柄、食事、気候、休日など )

公開日 : 2015年03月19日
最終更新 :
筆者 : 関 望

1.治安

イスラエルというと、中東にあり、「戦争」のイメージが強いことから「危ない、怖い」と思われる方が多いと思います。

確かに、情勢が不安定な時は旅行を 避けるべきですが、それ以外の時は、なんといってもキリスト教の最大聖地を擁する 一大観光地であることから、年間を通して世界各地、特にヨーロッパからは多くの観光客が 訪れ、問題なく観光をして帰国しています。また、高速道路や電車・バスなどの一般交通機関といったインフラも比較的整っているので、 日本で一般的に想像されるより実際は旅行をしやすい国と言えます。

また最近はテロ組織に拉致されるというような心配をされる方もいますが、同国は欧米諸国などとは友好関係にある一方、周辺イスラム国を想定敵国としており、イスラム系の国々からの渡航者に対するセキュリティーが大変高いため、イスラエル国内にいる限りはそういった心配はないようです。(一方で、中東他国への渡航歴がある場合は日本人でも入国時に尋問される事があるようです。)

ただし、建国以来数年ごとにガザやレバノン等周辺国との戦争が起きていることから、渡航前には外務省のHPなどで安全情報の確認はもちろん必要ですし、滞在中も、エルサレムの旧市街を含む東エルサレム地域では、テロが起こる事もあるので、万一巻き込まれたりしないように、ツアーに参加しない旅行者は、危険地域には絶対近寄らない、一般の人が行かない場所には行かない、また他の一般的な都市と同様に、夜遅くに女性一人でなるべく出歩かない、治安の悪そうな場所には近寄らない、といった注意深い行動を取る事をおすすめします。

*なお、直近の治安、渡航安全情報について、大使館からの連絡をこちらにアップしていますのでどうぞご覧下さい。https://tokuhain.arukikata.co.jp/jerusalem/cat4292/

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エルサレムの中心地で夜でも観光やショッピングを楽しむ人々。写真の中央は道路の中心を走るトラム。

2.衛生面

イスラエルは、中東の先進国として衛生水準が高く、トイレは全て水洗で、水道の水も飲めます。また、欧米諸国や周辺国からの医療ツーリズム国 としても発展しているほど医療レベルは高いため、万が一の事故の時なども、日本と変わらない、場合によっては日本より高いレベルの治療を受ける事ができます。ただし、医療費は高いので保険への加入は必須です。

3.言語

イスラエルではヘブライ語が共通語であり、書物や掲示物、メニューなどは基本ヘブライ語で書かれており、文字を知らないと、読む事もできません。

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ヘブライ語のメニュー。 右から左に書かれ、価格の数字が左側に標記されている

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バス停の表示もヘブライ語

しかし、移民国家である背景と、アメリカのテレビ番組が多く配信されていることから、多くの人が英語を話す事ができ、レストランやマーケット、交通機関などでも英語で注文したり情報収集をすることが可能です。また、殆どのレストランでは、英語メニューを用意しているので、手元にない場合は聞いてみると持って来てもらえる確率は高いです。ただし、ヘブライ語 は右から左に向かって書かれているため、翻訳ミスも多いのでご注意ください。(例えば、ドリンクの小グラスが一番高額で大グラスが一番小額で記載されていような事例を多く見かけます。)

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4.貨幣・物価・クレジットカード

イスラエルの現地通貨はシェケルといい、NIS(ニュー・イスラエル・シェケル)と記載されます。両替は日本円でもできる場合もありますが、一般的な通貨でない場合、換算レートが悪くなる事が多いので、ドルやユーロを持っている方が両替には便利です。

また、イスラエルは小国のためか、全般的に物価は高いです。大抵の物は日本と変わらないか日本よりも高い価格となっています 。ただし、殆どのお店で小額でもクレジットカードが使用できるので、クレジットカードがあれば、多くの現金を持ち歩く必要はありません。

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イスラエルシェケルのノートとコイン

5.人柄・宗教・その他

イスラエル人は基本的に人なつっこく、日本人に好意を持っている人が多いので、旅行中はあちこちで声をかけられる可能性があります。声をかけられた場合や、道に迷った時などは、すれ違う人々と気軽に話をしても問題ありませんが、宗教的な人々(黒尽くめ 、ヤマカという 丸い帽子を頭に被っている男性や、髪を隠している、タイツをはいている女性など)へのコンタクトは例外で、特に、異性に声をかけるのは控えるのが無難です。(ちなみに私は知らずに黒ずくめの男性と一緒に写真を撮ろうとして知人に注意された事があります。 女性と男性は並んで立つ事さえ許されていないそうです。)

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写真はユダヤ教の教会にあたるシナゴーグに集まるヤマカと呼ばれる小さい円形の帽子や黒いつば付き帽子、黒尽くめの恰好をした男性

6.食事

イスラエルはユダヤ教徒が8割の国ですので、ユダヤ教の法則にのっとって調理されたコウシャーという料理が基本です。コウシャーにはイスラム教でいうハラルと同様、様々なルールがありますが、

代表的なものとして、1)豚肉を使わない、2)チーズと肉を混ぜない、3)カニやエビを使わない、などがあります。よって、イスラエル人にお土産を持参する時は、上記をふまえ、エビやカニ、または豚肉が入っているスナックなどは避けた方が良いでしょう。なお、イスラム教徒と違ってお酒は飲んでも良いそうです。

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コウシャーを提供する店舗に貼られているコウシャー認定証

7.天候

砂漠気候のイメージの強いイスラエルですが、都市により気候が大きく異なります。例えば、死海のある南方は砂漠地帯なので乾燥していますが、ビジネス都市であるテルアビブは海に面しているため湿気があります。また南部は年間を通して比較的温かいですが、高度が 高いエルサレムおよび北部は、緑も多く冬には雪も降ります。さらに、砂漠気候の影響もあるのか、全体的に昼間と夜の寒暖の差が大きく、また数日間で気温が大きく変化するという特徴があります。例えば、エルサレムでは、雪が降るほど寒い日が続いた翌週に20度を超す夏のような暑さが戻ったり、冬なのに雷が鳴ったりもします。旅行に来られる際には、荷物にはなりますが、なるべく幅広い気温の変化に対応できる衣服を持参することをおすすめします。

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雪に覆われたエルサレム 雪が降るのは珍しい

8.週末・祭日

イスラエルは、実は世界の中でも祭日が一番多い国の一つです。また、1週間は日曜日に始まり、週末は金曜・土曜となります。金曜日の3時から土曜日の夜までは、スーパーだけでなく、電車やバスといった交通機関も止まってしまうので、これを踏まえて旅行計画を立てる必要があります。

9.入国時のスタンプ

「イスラエルのスタンプがあると他の中東諸国への入国を拒否される」、という話は有名ですが、実はイスラエルのイミグレーションでは数年前から既にスタンプを廃止しているので、その心配はなくなりました。今は、スタンプの代わりに入国カードを渡され、ゲートでこれをスキャンして入国する仕組みとなっています。

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入国が青、出国がピンク色のカード これをスキャンして入出国する

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