ユダヤ教最大の祭日 ヨムキプルについて

公開日 : 2015年09月26日
最終更新 :
筆者 : 関 望

皆様こんにちは

9月23日は「ヨムキプル」と呼ばれる、年内最大のユダヤ教の祭日でした。

「ヨムキプル」は「贖罪の日」という意味で、自分の犯した罪を神に許してもらう日となっております。9月13日にユダヤ教の新年が始まってから10日間はクレンジングの日として神に許しを請うのですが、最終日の10日目は1日断食を行い、さらにシャバート(休息日・土曜日)中のシャバートとして、普段のシャバートでも基本的に禁止事項である働くことや電気を使うこと、車にを運転することなどをせず、さらにヨムキプルの禁止事項である、①飲食 ②革靴を履くこと ③シャワー・洗浄、④ローション・化粧など ⑤婚姻交渉、をしない日となります。

また、国中の交通機関、空港だけでなく、テレビ放送、ラジオ放送までが止まります。道路を走る車も殆どいなくなるため、国中の移動が不可能となります。

このヨムキプルの日の、ユダヤ教聖地であるエルサレムにおける様子を以下にご報告したいと思います。

ユダヤ教の一日は日没と共に始まりますので、ヨムキプルも22日の日没から始まります。それに備え、交通機関は午後2時から3時頃に全て終わり、レストランも3時頃には開いているお店が殆どなくなります。

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道路から車がいなくなるこの日はまた、子供達の自転車天国と変わり、国中で自転車ギャングが現れます。なお、12歳未満の子供たちは断食はしなくて良いこととなっております。

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23日の昼間、静まり返った街。今年は10年来の暑いヨムキプルということで、断食中で水も飲めない殆どの人々は家で休んでおり、街を歩いているのは観光客と祈りに行く人に限られています。

なお、イスラエル在住のユダヤ教徒でも宗教的でない家庭の多くは、断食はするものの録画したビデオなどを見て1日過ごすのが一般的だそうで、宗教的な人が多いエルサレムでも、通り過ぎる家からたまに映画のBGMのような音が聞こえてきました。

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エルサレムの新市街および旧市街の中でもユダヤ地区は全てが閉じている一方、イスラム教徒とキリスト教徒が多い旧市街では、多くのお店が通常通り運営しており、観光客もここでは普通に食事ができます。

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日没前から嘆きの壁にまた人が集まり始めます。

革靴を履いてはいけないこの日は、正装なのに足元だけはビーチサンダルやクロックスなどカジュアルな人が多いのが見ていて面白いです。

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クレンジングの最終日であるこの日は神に一番近い日とも言われており、日没前に祈りを捧げます。私も試しに断食をして、祈りにきましたが、いつもとは違う何らかのパワーを感じた気がしました。

そして日没後、断食の終わりを祝う瞬間を待ちます。

7時、ヨムキプアの終わりを告げるショファ(貝の笛)の音が鳴り響きます。

そして、断食の終わりを祝い、ジュースやケーキが振る舞われます。

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7時45分、既に車やバスが走り始めており、一年で一番静かなエルサレムの一日が終わったことを実感します。

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