ワールドカップが人気過ぎてコンゴ民主共和国が停電の危機?!

公開日 : 2014年06月25日
最終更新 :

グループステージが佳境を迎えつつある、サッカーの2014年ブラジル・ワールドカップ(W杯)。もちろんアフリカでも注目度は抜群です。南アフリカでもSABC(日本のNHKに相当)で毎日全ての試合が生中継されています。

ところでW杯に関連して、アフリカ大陸で第3位(約6500万人)の人口を擁するコンゴ民主共和国からショッキングなニュースが飛び込んできました。W杯のあまりの人気っぷりに、国全体が停電の危機に直面しているというのです。

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●Soccer-Turn off lights to keep TVs on, Congo's World Cup viewers told/Reuters

●Congo switches off to watch the World Cup/Aljazeera

報道によると、コンゴ民主共和国の国営電力会社SNELは国民に対して、次のような異例のお願いを行ったそうです。

「W杯の試合中は冷蔵庫、調理器具、電灯などありとあらゆる電気製品のスイッチをOFFにしてください。そうすればみんなが試合を観るだけの電力が確保でき、試合中の大停電を防ぐことができます」。

国全体の大停電を阻止しようと、SNELは必死です。まず、各試合前にはスポークスパーソンがテレビに出演して、不必要な電気製品のスイッチを切るように消費者に対して呼びかけを実施しています。また、「エネルギー効率よく試合を見られるように」と、これまでに16の巨大スクリーンを国のあちこちに設置。これら既存のものに加えて、首都キンシャサには新たに12の巨大スクリーンを設置する、と発表しています。

コンゴ川という大河が流れるコンゴ民主共和国には、水力発電で国中に電気を供給できるポテンシャルがあります。しかし、電力の大半を供給しているインガダム(Inga dam)の水力発電設備が破損しているため、電力にアクセスできるのは国民のわずか9%だけ。停電は日常茶飯事となっています。このような状況のため、W杯観戦に伴う電力需要増に見合うだけの電力が供給できないという訳です。

では状況が改善される見通しはあるのでしょうか? 元UNHCR職員の米川正子氏の報告によると、仮にインガダムの設備が復旧したとしても、電力がコンゴ民主共和国の国民に広く供給される保障はなさそうです。

●アメリカの「パワー・アフリカ」事業(No.1)~電力普及で得するのは誰なのか?

●アメリカの「パワー・アフリカ」事業(No.2) ~電力増大より「死んだ国家」への対処を

コンゴ民主共和国の国民が心おきなくW杯を楽しめる日は、いつか訪れるのでしょうか。

(6月お題"2014サッカーinブラジル")

photo credit: Richard_of_England via photopin cc

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