なぜ? 数百万人がリンポポ州のとある街に大集合

公開日 : 2015年03月24日
最終更新 :

リンポポ(Limpopo)州は南アフリカに9つある州の中で、日本人にはまだまだ知られていない州の1つです(クルーガー国立公園を除く)。ユネスコの世界遺産に認定された「マプングブエの丘」や世界一大きなバオバブなど見どころがありながらも、ヨハネスブルグやケープタウンという主要都市からの距離が遠いことが足かせとなっているのでしょう。

ところがこんなリンポポ州に、毎年イースター(復活祭)の時期に南アフリカ全土だけではなく、隣国のジンバブエやボツワナからも、100万人以上(4〜500万人との話も)を集める場所があります。

数百万人もの人々を惹きつける場所とは、リンポポ州の首都ポロクワネ(Polokwane)から東へ40kmほど進んだ山間の街のこと。名前をモリア(Moria)と言います。

それにしても、南アフリカの主要な大型連休の1つであるイースターに、なぜ人々はリンポポ州を目指すのでしょうか?

1503_zcc01.jpg

山に書かれたシンボルマークと文字

実はここモリアは、ザイオン正教会(Zion Christian Church。略称ZCC)という南部アフリカで最も大きい教会の1つが、総本山を置いている場所。総本山で行われるイースターの礼拝に参加するために、数百万人の信者たちがこの地を訪れるのです。

やや古いデータですが、2001年の南アフリカ共和国政府による調査は、ZCCの信者は当時の南アフリカ全人口の約11%。人数にすると約497万人と明らかにしています。全員がモリアを目指す訳ではないにせよ、これにジンバブエやボツワナからの来訪者も加わると考えれば、4〜5百万人が現実離れした人数ではないことがわかってもらえるんじゃなかと思います。

ZCCによるこの礼拝は南アフリカではとても大きな行事の1つで、過去にはジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領とジュリアス・マレマ(Julius Malema)アフリカ民族会議青年同盟リーダーが揃ってこの礼拝に参加したこともあるほどです。

●Zuma and Malema attend ZCC Easter service

ところで、数百万人が1つの街を目指す訳ですから、毎年イースターの時期になると周辺の道路は大混雑。ポロクワネからモリアへと続くR71はもちろんのこと、N1でさえも信じられないほどの交通渋滞が発生します。ですから、この時期にN1を通過する予定がある場合は、ZCCの友人にイースターの日程を聞いてから旅程を決めことが、プランニングの重要なポイントです。

ちなみに、ZCCは星または鳩をモチーフにしたシンボルマークを使っています(教会によって異なります)。南アフリカにいると、このマークがついた帽子をかぶっていたり、胸にバッジをつけている人を日常生活の中でよく見かけますので、ちょっと気に留めてみてください。

(3月お題"国内旅行先")

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