悪徳警察官には謙虚な態度で臨むのが吉/旅行者のための南アフリカ治安情報(2015年8月版)
つい先日、悪徳警察官によるタカリ行為について書きました。
南アフリカの空の玄関であるO.R タンボ国際空港付近で特に被害が深刻で、在南アフリカ共和国日本大使館からも注意を促す旨が通達されたという内容です。
●悪徳警察官にご用心/旅行者のための南アフリカ治安情報(2015年8月版)
悪徳警察官への基本的な対処方法はこれ
この記事の中でも紹介したように、在南アフリカ共和国日本大使館は次のような対処方法を薦めています。
・空港周辺(空港併設の駐車場からJones Rd.に通じる道)では、通常以上に交通違反に気をつける
・停車を求める警察官に対応する場合は、会話ができる程度に窓を開ける程度に留める(目安として数センチメートル)
・いわれなき抗議を受けた場合には、その場で在南アフリカ共和国日本大使館に連絡する
・警察官の所属、氏名、その場の状況などの記録化に努める
・本件事例のように、携帯電話で録音する(そぶりを見せる)ことも効果的
これらの対処方法は、空港に訪問時に大体2回に1回の割合で悪徳警察官に停止を求められている僕の経験に照らしあわせても大変有効だと思えるものです。
ただし、これらに1つだけ付け加えたいことがあります。それは、「警察官には謙虚な態度で臨むのが吉」ということです。
なぜ悪徳警察官に対して謙虚な態度が必要なのか
こんなことを言うと、「何で悪徳警察官に対して下手に出る必要があるんだ?」とお叱りを受けるかもしれません。確かに、道理で考えればその通りです。いわれなき理由で停止を求められた上に、賄賂まで求められては怒りたくなるのは当然です。
でも、ちょっと待ってください。
悪徳警察官と言えども相手は警察官、いわゆる権力です。権力は、その気になればいくらでも理由をつけて「正式に」罰金を課したりすることができます。
例えば以前に、話の内容が二転三転する警察官に対して「言っていることがさっきと違うじゃないか」と抗議したことがあります。すると警察官は「お前、本官のことを嘘つき呼ばわりするのか......うん、これは侮辱だな。警察官に対する侮辱は◯◯ランドの罰金だ。ほれ、ここに書いてあるぞ(ニタニタ)」と、公的書類と思われる罰金一覧表を提示されたことがあります。
最終的には無事に開放されましたが、このこじれた状態から抜け出すのにまー手こずったこと。いくら明らかな言いがかりであっても、相手が権力であることを自覚して謙虚な態度を示すことが大切と身を持って感じたのでした。
もちろん、人生においては権力に対してモノを言わなければいけない時もあります。でも、ちょっとしたお小遣い稼ぎを目論む悪徳警察官と正面から戦っていては時間がもったいないというもの。彼らとて「罰金」を徴収するために(今のところは)強引な手段には出てきませんので、ここはひとつ頭を下げて、一刻も早くその場を切り抜けることに集中するのが賢いのではないでしょうか。
こんなことを言いつつ、いざ悪徳警察官に捕まるとカッとなってなかなか謙虚な態度を取れないのが難しいところなのですが、頭の片隅に置いておいていただければ幸いです。
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●悪徳警察官にご用心/旅行者のための南アフリカ治安情報(2015年8月版)
南アフリカの空の玄関O.R タンボ空港周辺に頻出する悪徳警察官について書きました。
何かのご参考になれば幸いです。
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