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日本国内/金沢特派員ブログ 松岡 理恵 さん

日本国内・金沢特派員が現地から日本地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

ねこっちょ商店街で地域おこし
 
金澤表参道商店街は江戸時代から続く金沢で最も歴史がある商店街です。金沢の銀座と呼ばれるほどの人気でしたが、現在はかつての活気はありません。そこで近年ブームの「猫」に注目し、「ねこっちょ商店街」という愛称でプロモーション活動を行うようになりました。そんな金澤表参道商店街にあるレンタルスペース「NigiwaiSpace新保屋」で猫をテーマにしたアート展がはじまりました。
 
明治時代の金澤町家「NigiwaiSpace新保屋」
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NigiwaiSpace新保屋は誰もが気軽に部屋を借りて、1日レストランやチャレンジショップができます。 

この冬「ね、ね、ねこ展」と題して、猫をテーマにした展示が開催されています。
 
猫の暖簾がお出迎え
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金沢在住の学生イラストレーター東からすさんが描いた猫の絵が暖簾として展示されています。友禅の花を思わせる美しく華やかなイラストの中に、黒猫が隠れています。見つけられるでしょうか? 
 
 

墨彩画の美しい捨て猫
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二階の大広間には金沢学院大学芸術学部の児島新太郎さんの絵が飾られています。昨年から飼い始めた二匹の捨て猫が描かれています。捨て猫だったと思えない気品のある雰囲気は猫ならではの魅力にあふれています。
 

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畳や廊下の上に猫の絵を飾ってあるので、まるで本物の猫が町家でのんびりと人間観察をしているように見えます。
 
昔なつかしい茶の間でひとやすみ
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絵の展示を見ると意外に疲れるものです。茶の間から坪庭を眺めながら、猫がひなたぼっこするようにのんびり休憩するのがおすすめです。
 
 

猫のGPSアート
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スマホのアプリを使って走った道順で絵を描くGPSアートがランナーの間で流行っているそうです。そこで商店街周辺を猫の絵を描いて散歩してもらう企画も行われています。地元在住のランナー石川基さんによる企画で、仲間のランナーと共に商店街を盛り上げています。石川さんの友人の書家CHICAさんも猫の書アートを飾り、展示に華をそえています。
 


蔵の中にたくさんの可愛い猫
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かつては履物卸問屋だった建物を改修してレンタルスペースにしています。
商家らしく大きな蔵があるのが特徴です。
蔵の中には私が描いた色とりどりの猫の絵が展示してあります。
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商店街離れは全国で深刻な問題となっています。地元のアーティストや美術大学に呼びかけ、商店街にゆかりのある作品を展示し、周辺を散歩するイベントを行うと普段は来てくれない人たちが商店街に訪れるきっかけになります。ぜひ全国の商店街でこうした取り組みが広がってほしいと感じています。
金沢らしい風情が残る商店街への旅は、旅先なのになつかしくのんびりとした時が過ごせるはずです。
 
 

 
NigiwaiSpace新保屋
場所:石川県金沢市安江町1-15
金沢駅から徒歩15分、近江町市場から徒歩5分
入場無料
HP https://www.instagram.com/shimboyans/
「ね、ね、ねこ展」は3月10日まで開催予定。

※本記事の写真は許可を得て掲載しています


2021年2月16日

金沢の周りはすてきな温泉だらけ。疲れた週末にふらっと温泉に行く地元民が多いです。
「加賀温泉郷」は金沢から車で1時間20分ほどで着くので特に人気。
 
加賀温泉郷の住宅街には、残念ながら地元の人にほとんど知られていない
すごい美術館があります。
 
その名は!
硲伊之助(はざま いのすけ)美術館
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木々に覆われた小さな丘の上にぽつんとある美術館は硲さんのかつての家の隣に作られました。
 
1895年に東京で生まれた硲伊之助さんは、かつては岸田劉生と腕を競いあったという絵描きです。
 
26歳のときから約15年間ヨーロッパに滞在し、あのマティスに師事!!
49歳で東京美術学校(現在の藝大)の助教授になったあと、55歳で藝大を辞めて、マティスに会いにフランスへ。
その翌年、日本初のマティスやピカソの展覧会が開かれました。
この展覧会ができたのは硲さんがいたからこそ。
戦後の日本にヨーロッパの巨匠を紹介するという大仕事です。
 
そして帰国後、なぜか九谷焼を始めたそうです。
晩年は絵画よりも陶芸に自分の芸術の可能性を見たようです。
 
硲さんは67歳で九谷焼発祥の地「加賀」に移住し、82歳で永眠。
その住んでいた場所に美術館が建ちました。
 
美術館では現在も九谷焼を作っています!
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現在はお弟子さんの硲紘一さんが美術館の館長をされています。
そしてこの煙突! 陶芸の釜の煙突でしょう。
ここでいまも硲さんから受け継いだ九谷焼が制作され続けているのです。
 
芸術が過去から現在へと受け継がれている場所だからか、ドラマティックな気配に満ちています。
 
硲館長さんは美術館のすぐそばに住んでいて、インターホンを押すと、そばの家から歩いて出迎えてくださいます。
なんというアットホームさ!
 
絵の解説や硲さんの生涯について館長さんにたっぷり質問でき、すてきな美術館をひとりじめした気分になれました。
 
硲さんはマルチアーティストの先駆け。
油絵、版画、本の装丁、『ゴッホの手紙』という本の日本語訳もされています。
  
直木賞で有名な直木三十五の本の装丁を手がけるなど、著名な方々と交流があったそうです。
 
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九谷焼の大皿を硲さんが絵付けした作品が並んでいました。
マティスの絵に通じる躍動的なデザイン。
そして色が皿からあふれ出てくるような活気のいい色をしています。
 
九谷焼の特徴はなんといってもその色鮮やかさ。
絵の具はどうしても絵にすると色あせてしまうけれど、陶芸の色は不滅に思えます。
そうした点からも、油絵から九谷焼に心を移したのでしょうか。
 
マティスに師事するほどの画家が陶芸に魅せられ、東京でのアートの仕事から遠ざかり、その発祥地である田舎に移住して晩年を過ごしました。
 
シニアになっての第二の人生。
まさに現代の日本人が憧れる、精神的な豊かさを求める生き方。
 
そんなことをお弟子さんで館長さんの硲さんと話す至福の時間。
知られざる偉人が日本にはまだまだいます。
歴史に名を残すほどのすばらしいことをしたとしても人々はその人を忘れ去ってしまいます。
 
だとすれば、いまを懸命に生きて、自分の本当にしたいことをしていくのがいいと思います。
令和のコロナ禍だからこそ、すごく響いた出会いでした。
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硲さんの油絵の女性は誰がモデルなのでしょう。
昭和の女性の品のある色香が時を越えてまぶしく惹きつけられました。
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この美術館にはピアノがあって、コンサートをすることもあるそうです。
山間の美術館で聞く音色はとてもロマンティックでしょう。
 
硲さん作品のユーモアとかわいらしさと品のバランス
九谷焼としては非常に珍しい土の色の作品。
この色を出すのにかなりの試行錯誤があったでしょう。
とてもお気に入りの一枚。
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私も絵と陶芸の絵付けをしています。
ラジオのパーソナリティもしていて、金沢市の行政機関で地域おこしをし、商店街のためのイベントを手がけ、YouTubeも作りとにかくいろんなことをしています。
どの仕事も楽しいけれど、一本に絞った方がいいのではないかと常に迷いながら生きています。
 
この美術館に来て、かつて地元に住んだ硲さんから、「もっともっと挑戦せよ」と背中を押された気がしました。
 
この美術館は本当に知る人ぞ知る場所なのでどうかこの記事を読んだ方は訪ねてほしいです。
自分にだけ語りかけてくれるようなそんな美術との出会いを保証します。
 
硲伊之助美術館
・TEL: 0761-72-0872(硲伊之助美術館)
・住所: 〒922-0822 石川県加賀市吸坂町4-3
・アクセス: JR大聖寺駅より車で約5分、JR加賀温泉駅より車で約7分、北陸自動車道加賀I.C.より車で約10分
・見学可能時間: 10:00~17:00/標準所要時間60分
・見学できない日: 火曜、水曜、木曜 
※休館日でも連絡すれば見学可能
・料金: 大人500円、高校生以下無料
・URL: http://inkaga.net/hi/
※本記事の写真は許可を得て掲載しています


2021年2月 3日

金沢特派員のラジオDJまつおかりえです!
 
金沢でおすすめの場所を聞かれたら必ず紹介しているのが「石川国際交流サロン」です。
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金沢人だからこそ知る場所で、本当は誰にも教えたくない大好きな場所です。
 
だから、こうして記事にして紹介するのもちょっと嫌なぐらいなんですが、金沢の神髄を知りたい方に熱くおすすめします。
 
石川国際交流サロンは、観光地である金沢城や金沢21世紀美術館のそばにあります。
公共の施設なので、入場は無料です!!
 
歴史と建物がすごい!
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立派な建物は、もともとは大正末期に建設された民家!
建築好きにはたまらない金沢独特の「建築の美」が随所に感じられます。
 
また、建物が建っている土地は加賀藩の家老だった「横山家」の流れを組む横山男爵の邸宅跡地なのです。
 
「石川国際交流サロンは」は金沢城のすぐそばにあります。
つまり、お殿さまを守るために、城の近くに家老が住んでいたことを今に伝える歴史遺産でもあるのです!
 
庭がすごい!
 
四季の移ろいを感じるために計算されつくされた「庭園の美」がすごいんです。
春、夏、秋、冬。
それぞれの季節に見頃を迎える植物が楽しめます。
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冬の庭園の見どころは、なんといっても「雪吊り」です。
「雪吊り」とは、雪の被害から木を守るために、縄で枝を保持することです。
金沢らしい冬景色として、地元民に愛されています。
 
庭木マップがすごい!
 
庭を探索していると、木や花の名前が気になることはないですか?
 
そんな方のために、石川国際交流サロンでは庭木マップを配布しています。
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私はこの庭木マップを見つけたときに衝撃を受けました。
こういう庭木マップを作っている施設に、いまだ出合ったことがありません。
訪問者により楽しんでいただく小さな工夫かもしれませんが、これぞ「金沢のおもてなし」だと感動したのです。
  
この庭木マップは石川国際交流サロンの統括 永江さんのアイデアです。
永江さんは私が金沢で一番尊敬している女性です!
そのときに抱えている悩みや気になることを楽しくお話しては、永江さんから名回答をいただいてスッキリして帰っています。
 
季節の花がすごい
 
サロンを語るうえで外せないのが「季節の花々」の存在です。
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ともすれば簡素になりがちな和室空間に、美しい花々を飾ることで、四季を通して何度も足を運びたくなる工夫をされているんです。
 
国際交流団体「日本・ニュージーランド文化交流会」の皆さんがサロンが開設した2002年から生け花ボランティアとして、ずっと花を飾ってくださっているそうです。
 
床の間や玄関はもちろん、トイレなど、いたるところに花が彩りを添えています。
花をより美しく見せるために選び抜かれた花器と花の調和が見事で、いつも舐めるように観察してしまいます。
 
無料の作品展がすごい!
 
サロンは石川県民に開かれた公共の施設であるため、無料で部屋を借りて作品展をすることができます。
 
観光地のそばの一等地であり、趣あるすばらしい空間であることから作品展の予約はかなり先まで埋まっているんだとか。
 
書、陶芸、絵画など、作品展のジャンルが幅広いのも特徴です。
 
誰もが気軽にサロンで展示できることで、さまざまな人が訪れ新しいにぎわいが常に生まれる場所となっているのです。
 
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書の展示風景です。
展示品のそばにも、必ず花が飾られています。
花がそばにあることで、作品や日本家屋の魅力がより深まり、日常を忘れて芸術的な世界にひたることができます。
 
サロンに通うようになってから、私は花がさらに好きになりました!
展示では作品はもちろん、今回はどのように花を飾っているのかを楽しみにチェックしています。
 
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クリスマスにはマリア様をイメージして飾られていました。
季節に合わせた展示は、四季を楽しむ日本文化の神髄を感じさせます。
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めずらしい畳の廊下です。
この廊下を歩きながら、庭園や作品を眺めるのが好きです。
 
異文化から学ぼう!
 
まだまだ書ききれない石川国際交流サロンの魅力!
 
日本文化の魅力を本当に知るには、外国の文化と比べることが不可欠。
 
このことを私はサロン統括の永江さんから学びました。
 
地球を歩いて知る、身近な文化のすばらしさってありますよね!
 
石川国際交流サロンはその名のとおり、国際交流が大きな目的のひとつであるため国際交流団体が多数訪れています。
そのため、最も金沢らしいスポットでありながら、外国人や国際交流を仕事とする人が集まり、情報交換できる場所でもあるのです。
 
私は画家としても活動しているので、サロンでいつか個展をするのが夢です。
ぜひ金沢をさらに深く感じたい人はお出かけください♪
 
【石川国際交流サロン】
・住所: 〒920-0962 金沢市広坂1-8-14
・TEL: 076-223-8696
・FAX: 076-223-8685
・Email: iisalon@spacelan.ne.jp
・開館時間: 10:00~18:00 (金曜・土曜は20:00)
・休館日: 毎週月曜、12月29日~1月3日
・入場料: 無料
・URL: http://www.ifie.or.jp/japan/facilities/salon/home_salon.html
※本記事の写真は許可を得て掲載しています


2020年12月23日
2020年12月19日
2019年9月 5日
2019年7月25日
2019年5月23日
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    金沢特派員
    松岡 理恵 さん
    ラジオパーソナリティ画家。生まれも育ちも石川県金沢市。エフエム石川アナウンサーとして10年間勤務。2018年に独立しラジオパーソナリティ画家としての活動をスタート。キノコと猫の絵をよく描く。商店街や地域活性化の仕事もしている。金澤表参道商店街のレンタルスペース「NigiwaiSpace新保屋」番頭。金沢学生のまち市民交流館コーディネーター。「レモンさんのビタミンラジオ局」金曜パーソナリティ。毎週日曜日にYouTubeを更新。 DISQUS ID @disqus_iAGHRFgJhY

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