ラクシャバンダン・ジャナイプルニマ(ネパールの祭・儀式)
ネパール公暦ビクラム暦4~5番目の月、サウン・バダウ頃の満月の日。
今年は8月22日に当たっていましたが、ジャナイプルニマと呼ばれ、ヒンドゥ教を信仰する人たちの、ラクチャバンダン/ラクシャバンダン、という儀式が行われました。
司祭から、ラクチャバンダン(ラクシャバンダン)と呼ばれる聖紐を手首に巻いてもらったり、ヒンドゥ教バフン・チェットリカーストの男性が常に左肩から肌にかける、ジャナイと呼ばれる聖紐を新しくかけ替えたりしながら、家内安全や健康を祈ります。
寺院周辺にはたくさんの司祭が待機しており、参拝ついでに聖紐を巻いてもらったり、ここで売られる、お清めが澄んだ聖紐を自宅に持ち帰り巻いたり、家に司祭を呼んで巻いてもらったり、方法はいろいろです。
聖なる紐ラクチャバンダンは、本来は、白い綿の糸を清め、「うこん(ターメリック)」などの天然色素で色付けしたものを用いていたそうですが、昨今、染色剤で染められた紐が主流です。
↓司祭の足元に置いてあったジャナイとラクチャバンダン:
近年カトマンズでは、姉妹兄弟で市販の腕輪を交換するインド流の習慣も若い人の間で定着しつつあり、ジャナイやラクチャバンダンとともに、カラフルなラキ(ラーキー)も店に並びます。
インド国境に近いネパール南部のタライ地方の一部では以前からあった慣習のようですが、カトマンズをはじめとする丘陵部ではあまり聞かない習慣でした。
しかし最近では幼稚園や小学校の低学年の工作でラキを作ったり、聖紐ラクチャバンダンを手首に巻く代わりに、キラキラした「ラキ」を巻く人たちが増えています。
もともとヒンドゥ教の儀式は意識してこなかったバフン・チェットリカースト以外のカーストや民族の人たちで、いままで聖紐「ラクチャバンダン」を手首に巻いたこともない人たちが、聖紐の代わりに市販のラキを巻くのは簡単だしきれい!という理由で取り入れ始め、それが、非ヒンドゥ教バフン・チェットリカーストの間で定着しつつある、という背景もあるようです。
こうやって慣習は変化し多様化していくのですね。
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ジャナイプルニマの日の朝、カトマンドゥ市内ヒンドゥ寺院の様子を動画にまとめてみましたので、よろしければどうぞ↓
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本記事の写真、ジャナイをしているスタッフの後ろ姿は昨年撮影したものですが、それ以外は当日撮影したものです。
筆者
ネパール特派員
春日山 紀子
2000年よりカトマンズ在住。
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