ノッティング・ヒル ウォーキングガイド vol.3
ノッティング・ヒル ウォーキングガイド vol.3
ノッティング・ヒルは、今でこそおしゃれな高級住宅地の印象がありますが、かつてはちょっと荒れた下町でした。そこにカリビアンやスペインの移民や、新進気鋭の文芸人や画家が住みつき、そしてヒッピー、パンク、ロックなど若者文化(カウンター・カルチャー)が浸透して、ロンドンでも少し異色な文化地区として発展していきました。
ポートベロ通りからタルボット通りを東向きに歩くと、赤いレンガのゴシック様式の建物、ターバナックル(ポウィス・スクエア34-35番地)は現在アート・センターとして使われています。中に入ると居心地の良いカフェ・バーもあり、まさしくノッティング・ヒルの住民のコミュニティー・ハブ、旅人のウォーキングの拠点にもぴったりです。カリビアン文化をルーツに始まったノッティング・ヒル カーニバルの運営事務所でもあり、常設の写真展示やスチールパン・バンドの練習場にもなっています。
ターバナックルの少し西側に、オールセイント教会があります。住宅街の真ん中にドンと腰を据えた存在感のある建物です。60年代後半、無名だったピンクフロイドがここで定期コンサートを大成功させた後、世界的に有名なサイケデリック・バンドに成長したという逸話があります。
オールセイント教会、ターナバックルの向かい側にある、ポウィス・スクエア25番地は60年代に撮影されたミックジャガー主演の話題映画、『パフォーマンス 青春の罠』の舞台に使われた家だったと英語版に書かれていました。家に戻ってから、学生の頃ノッティングヒル近辺に住んでいた夫に何気なく・・・・
私:「ポウィススクエアでミックジャガーが映画撮ってたのは聞いたことある?」
夫:「知ってるも何も・・・僕、そのその家に住んでたよ。25番地!日本人の観光客がよく家の前で写真をとってたぜ。」
私:「へえ~!!」
ワーナー・ブラザーズが製作したこの映画は麻薬や暴力的なシーンの多い問題作だったようですが、当時ロックン・ロールの大スターだったミック・ジャガー初主演の映画ということで話題になり、ファンがこのロケ地を訪れていたようです。撮影当時の25番地の家には、2階部分に出っ張ったバルコニー式サンルームがあり、夫はその部分を間借りして住んでいた・・・ちょっと因縁のあるスポットです。(現在サンルーム部分は改築撤去)
この本ではかつて人々を震撼させたリリントン・プレイス10番地という住所も紹介されています。この住所は連続殺人鬼ジョン・レジナルド・クリスティが8人の女性を殺害して死体を隠していた家で、この実話をもとにして『10番街の殺人』という映画が撮影されました。驚いたのは、その殺人現場の家でロケが行われたこと。キャストもすばらしく何とも不気味で奇怪なサスペンス映画に仕上がっています。(家はその後解体され住所消滅)
最後に、永遠のギターヒーロー、ジミ・ヘンドリックスのファンの巡礼地になっているノッティングヒルの住所をご紹介しておきます。ラッドグローブ通りの南側、ランズドウン・クレセント22番地はかつてサマルカンドという名のホテルでした。1970年9月18日にジミヘンドリックスはガールフレンドのモニカ・ダンマネンとこのホテルに滞在。しかし翌早朝急死。ワインと睡眠薬のために窒息死だったといわれています。
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