トレンガヌ州のウミガメ保護区で赤ちゃんガメを海へ放流

公開日 : 2022年04月06日
最終更新 :

クアラルンプールから約300km、車で3時間30分程のところに位置するトレンガヌ州から州境を接するパハン州から続くマレー半島東側のビーチは美しい海岸線が続くことで知られています。

そして、もうひとつウミガメにとっては貴重な産卵地として知られています。

残念ながら近年の気候変動や、乱獲によってウミガメの個体数が減ってきているのですが、卵を守り孵化させ生まれたウミガメの赤ちゃんを海へ放流する保護活動が行われています。

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以前はパハン州チェラティンにあるチェラティン・タートル・サンクチュアリ(Cherating Turtle Sanctuary)でも放流体験などを行なっていたのですが、現在は休業中となっています。

現在はそこから北へ車で20分ほどの距離にあるチュカイ(Chukai)のマクニク(Mak Nik)ビーチの保護センターで主に保護活動が行われています。

ここではウミガメが産卵した卵を天敵などから守るため、インキュベーション(孵化)させてから、海へと放流します。

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放流は夕方から夜にかけて。まず保護センターのスタッフからウミガメの生態や、放流する際の注意事項などについて説明を受けます。

金網に囲まれたこの砂地の中に、ウミガメの卵が保護されていて孵化するのを待っています。

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放流時間になるまで、夕暮れのビーチを散策しますが、残念ながらこちらは東側になるので海に沈むサンセットという風景は見られません。

それでも、のんびりとした海辺が次第に夜が降り、波の打ち寄せる音を聞いているとなんともよい気分になります。

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スタッフが参加者に使い捨てのビニール手袋を配り、足下にタライを置いていきます。

そしてその中にウミガメの赤ちゃんを入れていきます!

その大きさ10cmほど、成体は1mに達することもあるそうです。

夕暮れ時でしかもウミガメの赤ちゃんは動きが早い!

本来ならフラッシュ使用するのですが、控えたためピンボケが多い写真となっています。

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手で背中の甲羅部分をつかみます。

砂浜の上にそっと乗っけると、海の方へ必死にはっていき、やがて波の中へ泳いでいきます。

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成長すると10年後ぐらいにまたこのマクニク(Mak Nik)へ戻ってくるとのことでしたが、その数が5000〜1万匹の中で1匹とのことでした。

この日に放流されたウミガメの赤ちゃんは数千匹。

そして、戻ってこれるのが1匹いるかいないかと聞いて、目の前の自然界の厳しさを改めて実感しました。

それと当時に、気を抜くと落としそうになるぐらい手の中で動く、命を力強さも感じられました!

筆者

マレーシア特派員

逗子マリナ

2016年からクアラルンプール 在住の主婦兼フリーランスライター。

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