おいしいもの大国マレーシア~その1「バクテー」

公開日 : 2019年06月06日
最終更新 :
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薬膳豚肉スープの「バクテー」はマレーシア華人の郷土料理。地方によって味の違いが楽しめる薬膳スープです。

こんにちは、クアラルンプール2特派員のかりわめぐみです。最近もっぱらバクテーの食べ歩きにハマっています。マレーシア華人の間で朝食として親しまれているバクテーですがなんといってもそのボリュームが最大の魅力。薬膳のたっぷりスープでごろごろお肉が食べられる。さらに低価格。バクテーは、いいとこどりのスーパーフードなんです。

バクテーのはじまり

バクテー発祥の店

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もともと、バクテーは食事医療の一環として食されていました。イギリス統治時代の「マラヤ」(当時の名称)に渡ってきた華人の多くは肉体労働者として働いていました。クランの労働者たちは毎日裸足で重い荷物を運んでいたので、関節炎やリウマチなどの病気に苦しんでいました。

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彼らの病気を防ぐために、中国から持ち込んだ薬草で豚を煮込んだ栄養スープを作ったことがバクテーの始まりと言われています。コラーゲン豊富なスープで、骨と関節の健康を保っていたそうです。

バクテーのルーツは所説ありますが、マレーシアではクランから発祥したと言われています。発案者は「Lee Boon Teh」氏で、料理名の「Teh」は名前に由来すると言われています。"テーさんの骨付き肉"。といったところでしょうか。

もう一つの由来は"骨付き肉をお茶と一緒にいただく"ため「肉骨茶」という名前が付いたという説。私はテーさんのスープのほうがなんだかしっくりきます。バクテー発祥の店は現在も3代目のご子息がお店を切り盛りしています。

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3種類の肉骨茶スープ

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さて、バクテーは郷土料理と言いましたが、地方によって味付けが変わります。大きく福建、潮州、広東の3タイプにわかれていて、マレーシアで最も食べられるバクテーは福建風の濃いスープのものです。

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シンガポールは広東風の透明で軽いスープ。潮州風は日本では食べられないレアな味付けだそうです。

ドライバクテー

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濃い味付けでご飯が進む汁なしバクテーはビールとの相性抜群。バクテーは同じ鍋で煮込んだ部位を選んで食べるスタイルなので、数品食べたいのなら別々のスープを選ぶのがおススメです。私はいつもスタンダードなバクテーとドライバクテーを注文します。

ローカルな店舗にいくとメニューがなく、部位だけ聞かれます。英語に自身のある方は高級な有名店ではなくローカルなバクテー店に挑戦してみてくださいね。

クアラルンプールで食べるなら

クアラルンプールでよく聞く有名店は「Sun Hong Muk Koot Tea 新峰肉骨茶」ではないでしょうか。日本人のブログでもたびたび取り上げられています。広い店舗ですが、観光客でいつも満席。私が行った時はオーダーから提供まで30分以上待ちました。料金も観光価格なので時間とお金に余裕があって、ガイドマップに載っているお店で食事をしたい方にはおススメします。

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私がクアラルンプールで一番好きなバクテーはパビリオンに入っているお店です。いつも空いていて、いつ行っても店員さんの対応が素晴らしいです。私の好きな店はネットでのおススメ評価も見当たりませんが、味、接客、衛生面、価格すべてにおいてナンバーワンです。

参考に、私がクアラルンプールで食べたバクテーの価格帯は、2人前で有名店40リンギット(1037円)から、パビリオン20リンギット(518円)から、ローカルの人気店14リンギット(363円)からでした。価格差があるので、評価に惑わされず、お気に入りバクテー店を開拓するのも食べ歩きの醍醐味です。

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