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日本国内/京都特派員ブログ 旧特派員 韮澤 成行

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2007年10月26日

元政庵瑞光寺・稲荷山・猫


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元政庵瑞光寺・稲荷山・猫

%90%90%8C%F5%8E%9B.jpg タイトルからは何の脈絡も読み取れないと思いますが、その通りです。


【元政庵瑞光寺】
江戸時代の前期に元政(げんせい)という日蓮宗の僧がおりました。名僧の一人に数えられていますが、一般の知名度は高くありません。1623年、京都に生まれて、最近は”ひこにゃん” (http://www.hikone-400th.jp/hikonyan/ ) と国宝になった城が有名ですが、元彦根藩の藩主・井伊直考に仕え、曲折を経て僧になりました。交際範囲が大変広く、また文人として少なからぬ著作を残しています。
今の伏見区深草坊町に称心庵(現在の瑞光寺)を営んで仏道修行の場とし、傍らに親のために家を建てました。芭蕉が『冬の日』で連句の題材としたように、元政がもっともよく知られたのはその母への孝行ぶりでした。その孝心には徳川光圀(水戸黄門)もはなはだ感服したようです。
46歳で原因不明の突然死を遂げ、当地に葬られました。墓は境内の西方にあり、竹好きだったという元政の遺命により、その墓標は3本の竹のみです(実際はもっと多そうでしたが…)。3本の意味は、1本は法華経のため、もう1本は親のため、残る1本は衆生のためということだそうです。

1.%8C%B3%90%AD%82%CC%95%E6.jpg 先週、その墓に参りました。墓は京阪電鉄の深草駅から徒歩10分ほどのところにありますが、瑞光寺の寺地はJR奈良線の線路によって東西に分断されてしまっており、寺に行くには線路下の地下道を通ることになります。
元政の墓にしても瑞光寺にしても、訪ねるものは私のほかにだれもいませんでした。


そのあと近くの、これも日蓮宗の宝塔寺を訪れ、帰るつもりでJRの稲荷駅まで歩きました。当日の予定はこれで終了のはずでした。しかし折角だからと思い、駅には入らず、目と鼻の先の伏見稲荷に向かったのです。


2.%95%9A%8C%A9%88%EE%89%D7.jpg 3.%90%E7%96%7B%92%B9%8B%8F.jpg 【稲荷山】
伏見稲荷大社本殿の裏手に千本鳥居といわれる沢山の鳥居でトンネル状になった2本の参道があります。ここを抜ければ奥の院から長い長い参道を経て稲荷山の頂上(一の峯。海抜233m)まで登ることができます。予定外だったため下調べはしておらず、境内の参拝図も正確な地図ではないので、先の様子がよく分らないまま山頂へ向って歩き始めました。


%8EQ%93%B9.jpg 延々と続く鳥居をくぐりながらの登山です。途中、勘違いをして裏参道から下山しかけ、気がついてまた戻り、どこまで行けば頂上に着くのかと、多少、嫌気が差しながら登り続けると、ようやく視界が開けたところ(四ツ辻)に着きました。ここが終着点かと思いきや、実はまだ道のりの、それも往路の半分を来ただけで、帰りを考えるとまだ4分の1しか来ていませんでした。


参道のあちこちにいくつもの茶店があります。四ツ辻では京都の南部が一望できます。だいぶ疲れたので休憩することにしました。スポーツ飲料が200円!そりゃそうだよね。運び上げるだけで大変だもの。登ってくる途中、郵便や宅配便を配達する人たちを見かけましたが、連日のこととなるとどれだけ大変か想像するに難くありません。また茶店の人たちもそこに住んでいるのか毎日通って来るのか、どちらにしても山道の上り下りははなはだご苦労なことと思います。


4.%95%F2%94q%8F%8A.jpg 四つ辻から先は沢山ある奉拝所を一巡するコースになっています。案内板には一周30分と書いてあります。もう陽が傾き始めていました。10分と休まないうちに、行くか止めるか決めかねたまま、行けるところまでと思ってまた歩き始めました。歩き出してもまだ、もう止めようか、どこで引き返そうかなどとグズグズ考えています。


しばらく下ったあと、急な上りの石段が始まりました。だいぶ歩いたあとでもあり、両脚が挙げられないほど重くなり、心臓の出力は限界。そして冷えたら風邪を引きそうなほどの汗。ここで動けなくなったら命にかかわる、などと思い、息継ぎをしながらとはいえ足早に登り続けました。前にも後ろにも視界の中にはだれもいません。時おり逆回りの人とすれ違うだけですが、欧米か!と突っ込みが入りそうなほど外国人が多かったです。


いくつもある奉拝所は独特の神秘感を漂わせていますが、どの奉拝所にも木や石でできた大変な数の祠があって、同じような光景が続きます。これじゃとても拝みきれません。
こういうところに来るといつも思うのは、よくもこんな山の上まで大きな石を持ち上げたものだ、ということですが、人間がピラミッドや万里の長城を作ったことを考えれば、この程度ならどうということはないのかも知れませんね。


5.%92%86%83m%8E%D0.jpg 6.%92%B9%8B%8F%82%C6%90%CE%92i.jpg やっとの思いで頂上の一の峰に着きました。ここにも数え切れないほどの祠が満員電車の乗客のようにぎっしりと並び、山の頂上という感じはまったくありません。あとは二の峰、三の峰と一気に下るだけです。


私は時計回りに回って来ましたが、あとで逆回りの方が少しは楽だったのではないかと思いました。登った分だけ下りなければならないんだから同じじゃないか、というご意見は当然おありでしょう。でも、上りはなだらかで下りが急な方と、上りが急で下りはなだらかな方とではどっちが楽でしょうか?私は前者のような気がします。そして私が取ったルートは後者のようでした。勘違いかも知れないので、また行くことがあったら次は逆回りをしてみます。


7.%97%5B%97z.jpg 少しガクガクする脚で下りてくると、突然、目の前が開けました。見たような場所だと思ったら四ツ辻に戻って来たのでした。いともあっけない終り方でしたが、時計を見ると20分とちょっとで回ったことになります。でも、あのシンドさを思うと、もっとかかったような気がしました。ベンチに座って沈み行く夕陽を眺めながら、今度は少しゆっくりと休むことができました。


今回の稲荷山登山の結論は、たとえばマラソンを見に行って、自分もつられてちょっとのつもりで走り出したところ、そんなつもりはあまりなかったのに、止めようか続けようかと迷いながら走っているうちに、結局、完走してしまった、というような達成感のないことをやってしまった、ということでした。


境内の案内板には「御本殿より一の峰(山頂)まで1.5km 約30分」とあり、往復では都合約1時間ということになります。確かにこの通りだと思いますが、「休まずに歩いて」ということをお忘れなく。また、入山の時間に制限があるのかないのか、暗くなりかけているのにまだ登ってくる人たちがいました。


8.%8C%CF%82%C6%94L.jpg 【猫】
前に京都には猫がいない(見かけない)ということを書きましたが、伏見稲荷の境内や参道界隈ではずいぶん見かけました。たぶん神社関係の方に飼われている猫たちだと思いますが、いるところにはいるものです。市街地は車が多いので、猫は危ないから出歩かないだけ、ということですかね。

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2007年10月26日
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      韮澤 成行
      東京の出版社を退職後、京都に転居。これまでは本の中の話でしかなかった歴史上の出来事が、ここには形跡とは言え今も身近に数多く残っており、現在も遠い過去もいつも並存しているような気がしています。京都には平安時代の初めに実在した人物が、ある寺の井戸から毎夜、冥界に通ったという言い伝えがあります。私も千年昔に行き来できるタイムトンネルを見つけたいと思っています。

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