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日本国内/京都特派員ブログ 旧特派員 韮澤 成行

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2008年2月 4日

カンデンデン - 壬生狂言 -


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カンデンデン - 壬生狂言 -

%90p%90%B6%8E%9B%90%DF%95%AA%89%EF.jpg 一般に「壬生狂言」といわれる壬生寺の「壬生大念佛狂言」は、囃子に使われる鐘(というより鰐口)と太鼓の音から「壬生さんのカンデンデン」ともいわれます。
重要無形民族文化財に指定されている壬生狂言は2月の節分会と4月、10月の年3回公開されますが、節分の公開(2日、3日)のみ無料であとは有料(大人800円、中高生600円、小学生400円)です。演者は地元の小学生を含む壬生大念仏講のメンバーです。

この狂言は鎌倉時代末期(1300年)に、当寺を再興したといわれる円覚上人が仏教の教理を説くために始めた無言劇が起源とされていますが、学問的には疑問があるようです。
ところで通常、狂言といえば台詞はあるものの鳴物はありませんが、壬生狂言は台詞はなくて鳴物(鐘、太鼓、笛)が入ります。また現在30番ある演目のうち29までが全員仮面をつけて演じるため、仮面劇ともいわれます。無言である理由としては、拡声器などなかった当時のこと、大勢の観客にはどうせ聞こえないのだから台詞などなくしてしまえ、ということなのか、それとも面を付けたままでは喋りにくいからということなのか、理由ははっきりしていないようです。


東京の3cm!の積雪が大災害のように報じられた2月3日は、積雪のない京都も凍えるような寒さでした。とはいえ年に1度の節分会です。いつもなら「雨ニモ負ケテ、風ニモ負ケテ」の私ですが、狂言見たさに頑張って壬生寺へ行きました。


案の定、こんな寒さも何のその、の人出です。狂言は午後1時に始まって、毎正時から8回演じられます。混んではいましたが20分ほど並んだだけで、端の方でしたが最前列で見ることができました。
舞台は境内の北側にある狂言堂あるいは大念仏堂といわれる建物(重要文化財)にあり、特異な構造をしています。観客席は舞台から少し離れた隣の建物の2階の外側にあって屋根はなく、傾斜した床に長椅子があって競技場などの客席を思わせ、最前列は舞台と同じくらいの高さになっています。確かめたわけではありませんが、立見を入れると一度に5百人くらいは見られると思います。


演目はそのまんまの「節分」。台詞も解説もないので最初はよく分からなかったのですが、演技の進行に従って、次第に筋が見えてきました。鬼が変装して女に取り入ろうとするが、酔って寝込んでしまって正体を暴かれ、財物を奪われた上、豆を撒かれて退散するというのが大筋です。ただ、初めの方に出てきた子供の演者の役柄が全く分かりませんでしたが、あとで調べたら「厄払い」の役でした。
「節分」はプロの狂言の演目にもあって趣向は似ていますが、何らかの教訓を含む壬生狂言はそれとは別物のようです。それにしても狂言の鬼はそんなに悪者には見えないのに、ひどい目に会ってばかりで可愛そうな気がします。
鐘と太鼓のカン、デンデンで始まり、途中で笛も加わって、カン、デンデンで終わりました。 ”オカズ” など入れずに単調なリズムで繰り出す音が心地よく、いつまでも耳から離れませんでした。


およそ30分の上演でしたが、小雨が降る中で寒さをこらえての鑑賞でした。終わってからの拍手の音にパチパチは少なく、あらかたはパタパタでした。ほとんどの観客が寒くて手袋を外せなかったのです。狂言は撮影禁止なので写真をお見せすることはできません。


%E0%84%E0%80.jpg 境内では焙烙(ほうらく、ほうろく)* を売っています。買って家族の名前と年齢・性別を書き入れて寺に奉納すると、4月の大念佛会の狂言の演目「焙烙割り」の小道具となり、舞台から落とされて割られます。このようにして割ってもらうと厄除け・開運になるのだそうです。
それにしても古いお札を返納すると、その場からベルトコンベヤーで後ろの建物の2階に運び上げるという斬新な?やり方には驚きました。 (* 焙烙:径30cmほどの素焼きの浅い土鍋。500円)


%8Cb%95%FB%8A%AA%82%BF%82%E7%82%B5.jpg 節分といえば、そう!恵方巻(えほうまき)です。節分の日に食べる巻ずし(太巻)のことで、恵方 ** を向いて丸ごとかぶりつくと幸運が訪れるそうです。帰りに出店で買って(1本600円)、家で恵方に向かって丸かじりしましたが、具(干瓢、玉子焼き、椎茸、胡瓜)がちょっと甘過ぎました。同じようなものがスーパーでは半値の298円でしたが、買わなかったので味は不明。関西発のこの風習は、恵方巻の菓子バージョンも発売されたようで、全国を席巻して行く気配を感じます。 
(** 恵方:その年の歳徳神(としとくじん。福徳の神)がいるとされる方角。今年は南南東)

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カテゴリー イベント・行事・お祭り
2008年2月 4日
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      韮澤 成行
      東京の出版社を退職後、京都に転居。これまでは本の中の話でしかなかった歴史上の出来事が、ここには形跡とは言え今も身近に数多く残っており、現在も遠い過去もいつも並存しているような気がしています。京都には平安時代の初めに実在した人物が、ある寺の井戸から毎夜、冥界に通ったという言い伝えがあります。私も千年昔に行き来できるタイムトンネルを見つけたいと思っています。

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