八十八ヶ所巡り

公開日 : 2008年05月13日
最終更新 :
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桜の頃、龍安寺の北の原谷(はらだに)という所から仁和寺まで、山を越えて歩いて来たことがあります。途中、宇多天皇の大内山陵に寄るために別の山道を登り始めると、谷の反対側の山の頂近くに木の間隠れに建物らしきものが見えます。あんなところに何だろう?と思い、帰ってから調べると仁和寺の裏山にある成就山(じょうじゅさん。236メートル)八十八ヶ所霊場(御室八十八ヶ所ともいう)のお堂の一つだということが分かりました。

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金堂前の受付で参加費300円を払ってスタンプ帳をもらい、弘法大師を祀った御影堂に参拝してから霊場に向かいます。遍路(参加者)の多くは高齢者ですが、親に連れられた子供もいました。当イベントは年6回の開催で、誰でも参加できます。受付は開催日の午前9時から午後1時まで。今年の予定は6月8日(日)、7月6日(日)、9月7日(日)、10月4日(土)、11月16(日)のあと5回です。

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道路が整備され、交通も便利になったとはいえ、今でも四国の霊場巡拝は大変なこと。このため全国各地にミニ霊場が造られましたが、当八十八ヶ所の由来について仁和寺のホームページに〈四国への巡拝が困難だった頃、文政10年(1827年)に当時の門跡の願いで四国八十八ヶ所霊場の砂を持ち帰り、仁和寺の裏山(成就山)に埋めてお堂を建てたのが始まり〉ということが書かれています。従って当然、寺(お堂)の名前も本尊も巡拝のステージ*も四国の霊場をそっくり擬しています。

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大きくは山の尾根筋を右に回るコースになっていますが、道は折れ曲がった急な坂が大半で、木々に囲まれて見通しが利かないため方角が分からなくなります。ひたすら歩いて第四十四番大宝寺のスタンプを押し、やっと半分か、の感。ここまで約1時間20分。

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幾つかを除けば、お堂はどれも3メートル四方ほどの大きさで、まるで規格品のようにそっくり同じ造りです。そしてどこにも本尊と弘法大師の像がペアで祀ってあります。途中に数カ所、眺望の利く所があり、息継ぎの場所となります。コースの最後の方は谷間の道になり、比較的平坦です。

(写真左:左手にJR京都駅ビルと京都タワー、東西両本願寺が、また右手には東寺の境内と五重塔が見えます。その奥は伏見城ですね。 写真右:眼下に仁和寺境内と双ヶ丘が望めます。五重塔の先には妙心寺の境内の一部が見えています。双ヶ丘の左の森は法金剛院、右奥の森は広隆寺です)

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第六十番あたりからは加速感が加わって(気のせいです)気持が楽になり、第88番の結願寺・大窪寺までに要した時間は約3時間でした。寺側の案内では約2時間で、写真なんか撮らずにひたすら歩けば2時間で回って来られると思います。前をどんどん追い抜いて進んでいく人、参拝はまったくせずひたすら歩いていく人(非正規参加者?)もいました。

最後に出発場所の受付に戻り、最終スタンプを押してもらって終了です。係の若い僧侶に次回の参加を勧められたものの生返事をしてきましたが、今は天気さえ良ければ(もっとも雨天時は中止)もう一度、いや何度でも行ってみたい気持になっています。

信仰にはこだわらず、スタンプラリーやハイキングの気分でOKです!参加してみませんか?

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* 巡拝のステージ : 八十八ヶ所は四つのステージ(段階)に分けられます。徳島県(阿波の国)の第一番から第二十三番までが〈発心の道場〉、高知県(土佐の国)の第二十四番から第三十九番までが〈修行の道場〉、愛媛県(伊予の国)の第四十番から第六十五番までが〈菩提の道場〉、香川県(讃岐の国)の第六十六番から第八十八番までが〈涅槃の道場〉です。

余談 : 帰ってからスタンプ帳を眺めていたら、「薬師如来」の多さに気がつきました。以下は八十八ヶ所の本尊の名称と数の集計結果(御本尊人気ランキング?)です。

 1 薬師如来      23   26%

 2 千手観音      13   15%

 3 十一面観音     11   13%

 4 阿弥陀如来     10   11%

 5 大日如来       6    7%

 6 釈迦如来       5    6%

 7 地蔵菩薩       4    5%

 8 聖観音        4    5%

 9 虚空蔵菩薩      3    3%

10 不動明王       3    3%

11 勝軍地蔵       1    1%

12 大通智勝仏如来  1    1%

13 馬頭観音       1    1%

14 毘沙門天       1    1%

15 弥勒菩薩       1    1%

16 文殊菩薩       1    1%

     計        88  100%

この偏りはどうしてでしょうね?

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