京都迎賓館見学記
赤坂迎賓館は石造りの洋風建築で、日本なのにここだけヨーロッパ、の感じですが、京都迎賓館は和風建築(といっても木造ではない)で、地上1階(地下もあるらしい)の平家造り。鬱葱とした木々に覆われて余り目立ちません。そして全周を5メートルほどの高さの塀に囲まれていて、中の様子を窺い知ることはまったくできません。
さて、最高気温が36℃を超えた日の、最も暑い盛りに出かけました。入口は通用口ともいうべき南門。主権者なのに裏口から入れってか!と思いましたが、行ってみると警備上仕方ないか、の感。
門を入って地下駐車場に下り、荷物と金属探知の検査を受けたあと参観証(応募した往復はがきの返信部分)と本人確認ができるもの(運転免許証、健康保険証など公共機関が発行したもの)を提示。係員は参観予定者(?)名簿と照合して入館証を貸与し、案内のリーフレットをくれます。空港にあるような金属探知機を使うなど少しやり過ぎ?の感もありますが(実際のところ尻抜け)、これで入館手続きは終了。ロッカーに荷物を入れ(持ち込めるのはカメラ1台のみ)、地上への別のスロープを上ると全面コンクリート敷きの前庭に出ます。
参観証やリーフレットには注意事項が細かく書かれており、廊下ではカーペット部分から木の床にスリッパがはみ出すと、即注意です。係員の言葉遣いは柔らかですが、いつ指導、警告の声が飛んでくるかと気もそぞろ。そのせいか撮った写真も相応に不出来。
館側が最もアピールしているのは伝統技能による建築と調度品などの数々のようですが、私が1番気に入ったのは池です。京都の寺社にはたいてい池があり名所になっているところも数多くありますが、もとはといえば水溜り、濁っているのが当り前かも知れません。しかし迎賓館の池は底の玉石が見えるほど澄んでおり、大きくて美しい緋鯉が数十匹泳いでいます。撮影禁止は残念です。
建物は池庭を囲んで配置されており、参観コースもこれを周回するもので、30分ほどで回れます。大したものではないとはいえ、応募に際して記入した個人情報の取り扱いについての説明はまったくなく、また参観中の常に監視されている感じが鬱陶しくて(過敏?)、一般に、それによって逆に自分が守られている(はず)とは思いつつも、人を信用しないことの上に成り立っているシステムの中にいることが不快なため、目にするもののすべてが素晴らしいのですが、そんな理由でまた行きたいとは思いませんでした。
京都迎賓館がどれだけの頻度で使われているのか知りませんが、使っても使わなくても多大な費用がかかるはず。ただの高価な箱物にはしないようにと考えます。
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