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日本国内/京都特派員ブログ 旧特派員 韮澤 成行

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2010年11月 7日

中空の茶室 ‐石清水八幡宮 瀧本坊閑雲軒


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中空の茶室 ‐石清水八幡宮 瀧本坊閑雲軒

七五三詣_石清水八幡宮.jpg 先日、当ブログのこの記事 が他のブログにそっくり盗用されているのを発見しました。不正を指摘して削除を要請するコメントを投稿したところ、記事は削除されずにコメントが消されてしまいました。再度同様のコメントを投稿すると、今度はどちらもほったらかしになったままです。盗用した本人(匿名)は問題のブログを放棄し、頬っ被りを決め込んでしまったように見えます。

以前にも何度か写真を無断転載されたことがありますが、今回は特に著作権などまったく意に介さないよその国での出来事のような災いが降りかかったことで甚だ不快な思いをしていたところに、記事にした石清水八幡宮に関する興味あるニュースが報じられました。江戸時代の書家・茶人として名高い僧侶・松花堂昭乗が住んでいた瀧本(たきのもと)坊跡から空中に張り出すように建てられた茶室の跡が見つかったというのです。そこで昨日(6日)、一日だけの現地説明会に出かけて行きました。


発掘調査説明会資料_石清水八幡宮.jpg 神仏習合で知られる石清水八幡宮がある八幡市の教育委員会は今年9月から12月中旬までの予定で、史跡指定に向けた八幡宮境内の遺跡発掘調査を行っています。今回はそのうち2カ所の調査区域についての成果発表会です。


大塔跡発掘現場.jpg 1カ所は本殿の南西部、西谷の北辺で現在の三女神社と駐車場との間にあった大塔跡です。往時はここに密教系寺院に見られる、一般に多宝塔と呼ばれる様式の巨大な仏塔が立っていたそうです。高さは30メートル近くあり、大阪から船で淀川を遡ってくると山上に聳えるこの塔が見えてきたようです。付近からは平安時代の遺物も発見されるとか。


瀧本坊跡_2009_01.jpg 瀧本坊跡_2010_11.jpg

もう1カ所は本殿の東、石清水社の前にあった瀧本坊跡です。明治政府による神仏分離令が引き起こした廃仏毀釈の嵐により、建物などはほとんど破却され、現在に至るまで左の写真のように荒廃した様子でしたが、調査が始まると生い茂った草が刈り取られるなどして、大分きれいになりました(写真右)。


瀧本坊発掘現場.jpg 瀧本坊跡には南側に客殿、北側に書院があり、書院の西側、山の急斜面の下には池や水路のある庭があったようです。写真中央のへこみが池の跡で、右(西側)は坊の築造当時からの石垣。そして左(東側)へ落ち込む崖の縁に書院が建てられ、特に閑雲軒という茶室は清水寺の舞台のように、宙に浮いたような状態で建てられていたそうです。この茶室は昭乗が小堀遠州とともに建てたもので、このような造りを「懸(かけ)造り」というそうですが、京都に来る前に住んでいたところの近くにこのような建て方のアパートがあって、初めて見たときは驚きあきれましたが、実は風雅な建て方だったんですね。
この茶室は斜面から8メートルほどせり出しており、地面からは最高6.5メートルの高さがあったそうです。


瀧本坊東側斜面.jpg 書院の礎石.jpg

写真では分かりにくいのですが、坊跡の東側はかなりの急斜面です。下の方に書院と閑雲軒の礎石が残っています。


瀧本坊客殿跡.jpg こちらは客殿跡。スタッフの熱のこもった説明は大変分かりやすく楽しく、よく理解できたつもりです。


瀧本坊庭園跡.jpg 上から見た庭園跡。


表参道からの眺め.jpg 八幡宮の参道途中から見える木津川や宇治方面(昨年撮影)。見えるものは違いますが、昭乗もこのような景色を眺めながら客人らと茶を啜っていたのでしょうか?


石清水八幡宮のある男山は祭でもなければ静かなところですが、その昔、ここには数多くの宿坊が建ち並び、だいぶ賑わっていたであろうことは想像がつきます。このような様子は、今は絵図でしか見られませんが、CGにでもして是非見てみたいものです。遺跡は調査終了後に埋め戻されてしまうそうです。

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カテゴリー 見所・観光・定番スポット
2010年11月 7日
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      韮澤 成行
      東京の出版社を退職後、京都に転居。これまでは本の中の話でしかなかった歴史上の出来事が、ここには形跡とは言え今も身近に数多く残っており、現在も遠い過去もいつも並存しているような気がしています。京都には平安時代の初めに実在した人物が、ある寺の井戸から毎夜、冥界に通ったという言い伝えがあります。私も千年昔に行き来できるタイムトンネルを見つけたいと思っています。

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