祇王寺
六月に入って 雨降りの日が続いています。
青もみじを訪ねて 嵯峨野に来ました。
祇王寺です。
祇王寺の庭園は 空を覆いかぶさる様に もみじと木々・・・竹林が 茂っていて
青もみじは より 深い緑に なっています。
祇王寺は、その寺名の示すとおり、平家物語に登場する白拍子(舞いを踊る人)である
祇王が、剃髪し、念仏に専念した尼寺です。
『 悲恋に泣いた、白拍子・・・祇王ゆかりの寺院 祇王寺 』とも言われます。
祇王は、平清盛の寵愛と手厚い保護を受けていましたが・・・ある日、清盛の前に
仏御前という 新しい 白拍子が現れると・・平清盛は すっかり魅了されてしまい
ました。いわゆる今の時代で言うと・・浮気・・・心変わりと
言うのでしょうね。(T.T)/
手厚い保護や寵愛は 新しい女性の 仏御前へと移って行きました。
祇王は、心変わりした平清盛を見て 去り際に 一句の歌を 残しました。
『 萌出るも 枯るるも同じ 野辺の草 何れか秋にあはで果つべき 』と
言う 歌でした。その後、祇王は、妹の祇女と母と共に、髪を剃り落として
ここで 念仏一途の生活に入りました。
時が過ぎて・・・・ここの庵に 訪ねて来た女性がいました。それは何と、自分の
代わりに 寵愛を受けていた・・・・仏御前でした。
仏御前は、祇王が、書き残した 歌に 感銘を受け・・・・我が身も いつかは
同じ様な 境遇になるだろうと思い ここを訪ねて来たのでした。
そして・・・・・自らの非を 侘びました。
詫びた・・・・仏御前が かぶっていた衣を取ると、すでに髪を 落とした
尼の姿でした。祇王は、仏御前の その真摯な姿に胸を打たれ、仏御前を許し、
妹の祇女・・母・・・・・・そして仏御前と共に・・・ここで 念仏一途の生活に
入りました。
祇王寺は こじんまりとした、尼寺です。
ここで どんな思いで、祇王そして仏御前は 生涯を 過ごしていたのだろうと
思いました。
平家物語を語る 琵琶法師の言葉には
『 祗園精舎の鐘の声・・・・諸行無常の響あり 沙羅雙樹の花の色・・
盛者必衰の理を あらはす。
おごれる人も 久しからず、唯春の夜の夢のごとし。』 と 語られていました。
祇王が、生きた時代は、平安時代の末期でした。封建時代の中・・運命に翻弄され・・
辿りついた所が ここ 祇王寺 だったのでしょうね。
筆者
京都特派員
Akio
京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。
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