時を伝える伝説の桜。「糸桜」

公開日 : 2014年03月28日
最終更新 :
筆者 : Akio

烏丸通りを走っていますと御所のすぐ近くに、美しい桜が見えます。

立派な唐門作りの御屋敷。有栖川家の旧邸宅です。

塀の向こうに見える、大きな枝垂れ桜は、豊臣秀吉が行った 

醍醐の花見の桜の孫桜だそうです。

有栖川家は明治5年、遷都で東京に転住されるまで 京都での長い歴史がありました。

建物は 有栖川家と当時を語る貴重な建物と言えます。

御所 042.jpg

烏丸通から御所に入ると、梅の花が見えました。

遠方の山は右大文字の如意ヶ嶽。

御所 040.jpg

この日の目的は、御所に咲く「糸桜」。

御所には沢山の桜が咲きますが、糸桜は御所に咲く桜の中で

一番早く咲きます。

糸桜の咲く場所は、京都御苑の北側、今出川御門を入ってすぐの所です。

御所 023.jpg

おおっ、咲いています。

糸桜は、古くから有名な桜で

「春の雨に 糸くりかけて 庭の面は みだれあひたる花の色かな」 

               と・・・和歌にも 詠まれている伝説の桜です。

御所 007.jpg

かつて足利義満は、この糸桜を所望したとも言われ・・・

名の通り細かい糸が流れる様な枝垂れ桜です。

御所 011.jpg

御所は、歴代天皇が居住し、儀式や公務を執り行う場所であり

周辺には天皇に仕える朝廷の屋敷がありました。

御所 018.jpg

糸桜の咲く場所には、鎌倉時代から天皇に仕える朝廷

近衛家の邸宅がありました。

御所 015.jpg

天皇が明治維新で東京に移られる明治2年(1869年)と同時期に

近衛家も東京に転居されています。

以来、桜と池のみが145年間、残っています。

御所 025.jpg

細やかな滝の様に枝垂れる糸桜。

ここには、どんな時が流れていたのでしょうか。

時を伝える、伝説の桜。 「糸桜」。

今年も綺麗に咲きました。

御所 032.jpg

筆者

京都特派員

Akio

京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。