冬の建仁寺・芸術の世界が広がっています。

公開日 : 2015年01月22日
最終更新 :
筆者 : Akio

冬の日の建仁寺。

建仁寺は、栄西禅師が建仁2年(1202)に開いた京都最古の禅寺。

東山山麓や鴨川も近く、祇園の中に建っています。

舞妓さんが行き交う華やかなエリアですが、寺院の中は静けさに満ち 

八百年の歴史と禅の世界が広がっています。

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京都の寺院は、写真撮影禁止と言う所が多くなっていますが

ここ建仁寺さんは、写真撮影OKですから 嬉しくなります。

まずは、入り口正面に栄西禅師が説いた「大哉心乎」(おおいなる哉 心や)の衝立。

「人のこころは、本来自由で大らかである」、という意味との事。

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続いて見えるのは、国宝・風神雷神の図。 (レプリカ)

今年は、琳派が生まれて四百年の年。

京都では琳派四百年に合わせて様々な催しも行われます。

俵屋宗達筆の国宝『風神雷神図屏風』は、建仁寺の寺宝として名高く、

保存のため、実物は京都国立博物館に寄託されています。

俵屋宗達は「琳派」を確立した江戸時代初期の絵師。

右双には風嚢(かざぶくろ)を持って疾駆する風神。

左双には連鼓を背負って地上に稲妻を落とす雷神。

このレプリカは、(株)キャノンが最新のデジタル撮影と高精度の技術で複製し、

伝統工芸士が金箔を貼り、表装を施したものです。

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「風神雷神図」と共に展示されているのは、

書道家・金澤翔子さんの書道 「風神雷神」の屏風。

金澤翔子さんは、1985年東京都目黒区に誕生。

生まれてすぐダウン症と診断されますが、5歳から書家であるお母様に師事され、

書道を始められました。

10歳のとき般若心経を書かれ、全日本学生書道連盟展に「花」を出品。

その後、日本学生書道文化連盟展に出品をされ、16歳のとき「舎利礼」、

17歳のとき「觀」で金賞を受賞。

19歳で雅号「小蘭」を取得。2006年10月には

鎌倉建長寺に額装「慈悲」を奉納。

書道の「風神雷神」屏風。

素晴らしい躍動感に溢れた、書の世界に見入ってしまいました。

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こちらは、桃山時代の海北友松作筆 襖絵「雲龍図」。

(重要文化財)デジタル複製。

京都の禅宗寺院に行きますと龍の天井絵や襖絵に出会います。

(妙心寺・南禅寺・東福寺・相国寺・大徳寺・天竜寺・など等。)

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寺院に描かれた龍は、仏法を守る象徴と言われています。

龍は、金魚が鯉になり、鯉が滝を昇り、さらに空に昇り

龍に化身すると言われています。

天に昇った龍は龍神となり、水を司る神となります。

寺社で見られる雲龍絵は、仏法を守る象徴であると共に、渇水対策の雨乞いや

水難防止・火災除け等の祈願とも伝わります。

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雄大な枯山水庭園。

方丈前庭・大雄苑

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砂紋は水を表しているのでしょうか。

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幾重もの丸。

この丸は、何処から書き始めたのでしょうね。

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書院の掛け軸。「□△○」。

禅でいう□は、煩悩にまみれた人の迷い。

△は、その煩悩を断ち切る為修行している人。

○は、修行の後、悟りを開いた心。とか

鷹ヶ峰・源光庵の迷いの窓(□)と悟りの窓(○)を思い出しました。

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法堂の天井に描かれた「双龍図」。(小泉淳作 日本画家(1924-2012)  

2002年の創建800年を記念して描かれた畳108畳の大作です。

一体は「阿(あ)」。 

一体は「吽(うん)」です。

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この時期の京都は、咲く花も少ない時ですが、

冬の建仁寺には、日本画・書道・掛け軸・庭園・天井画と、

芸術の華の世界が広がっています。

《建仁寺》

○所        京都市東山区大和大路通四条下ル四丁目小松町584

○拝観時間      10:00-16:00

○拝観料 境内拝観自由 500円

○アクセス     バス  市バス206,207,特207番「東山安井」から西へ5分

          電車  京阪四条駅から徒歩7分

筆者

京都特派員

Akio

京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。

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