「雨中嵐山」歌碑巡り。
雨の嵐山。
渓谷も霧に霞んでいます。
雨の嵐山と言いますと「雨中嵐山」と言う言葉が浮かんで来ます。
雨中嵐山。。この言葉は中国の政治家・周恩来さんの詩牌に出て来る言葉です。
雨中嵐山の歌碑がある所は、亀山公園。
亀山公園の入り口は、渡月橋からも近くて、登り口は石畳の階段です。
公園内には「雨中嵐山」の周恩来記念詩牌や、百人一首の歌碑や、山々が一望できる展望台などがあります。
まずは、「雨中嵐山」周恩来記念詩牌。
周恩来さんは、中華人民共和国の政治家で、3年ほど東京にある大学に留学され、
その折に京都嵐山を訪問され、嵐山の雨の景色を詩を残されています。
1972年の日中国交正常化の際には、首相として、調印式に出られました。
「雨中嵐山」の日本語訳は・・・・・
「雨の中、二度嵐山に遊ぶ。 両岸の青い松が幾本かの桜を挟んでいる。
その尽きるところに、一つの山がそびえている。
流れる水は、こんなにも緑であり、 石をめぐって人影を映している。
雨脚は強く、霧は濃く立ちこめていたが、雲間から一筋の光が射し、
眺めは一段と美しい。 人間社会のすべての真理は、求めれば求めるほど
あいまいである。だが、そのあいまいさの中に、一点の光明を見つけた時には、
さらに美しく思われる。」
周恩来記念詩牌を見た後、亀山公園を巡って行きますと、百人一首の歌碑が見えます。
亀山公園の辺りは、藤原定家が百人一首を撰集した小倉山荘の「時雨亭跡」も近い所。
百人一首の歌碑は亀山公園に49基が作られています。
石に刻まれた百人一首の歌巡りも楽しいです。
歌碑横には白いプレートがあり、和歌と現代語訳が記載されています。
「月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ
わが身一つの 秋にはあらねど 」
現代語訳
「月を見ると、あれこれきりもなく物事が悲しく思われる。
私一人だけに訪れた秋ではないのだけれど。」
「ひさかたの 光のどけき 春の日に
静心(しづごころ)なく 花の散るらむ」
現代語訳
「こんなに日の光がのどかに射している春の日に、なぜ桜の花は
散って行くのだろうか。」
「人はいさ 心も知らず ふるさとは
花ぞ昔の 香(か)ににほひける」
現代語訳
「あなたの心はどうでしょうか。人の心はわからないけれど、
慣れ親しんだ土地の梅の花だけは昔とかわらない香がしています。 」
百人一首の歌碑を見ながら亀山公園の山頂に上ると
渓谷に保津川下りの船が下って来るのが見えました。
雨中嵐山・亀山公園の歌碑巡りでした。
≪亀山公園≫
○京都市右京区嵯峨亀ノ尾町
○入園自由
○嵐電嵐山駅から徒歩15分。
○阪急嵐山駅から徒歩15分。
筆者
京都特派員
Akio
京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。