吉野門が映える常照寺の紅葉。

公開日 : 2015年11月17日
最終更新 :
筆者 : Akio

京都で屈指の紅葉処・鷹ヶ峰の常照寺さん。

今年の京都は、琳派400年の年。

常照寺の開基は琳派の祖と呼ばれる「本阿弥光悦」(1558年~1637年)。

今年は、本阿弥光悦が俵屋宗達らと共に洛北鷹峰に移住し、

芸術の郷を創設してから、400年の年になります。

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そして常照寺と言いますと、本阿弥光悦と共に浮かんで来るのが

天下の名妓・二代目吉野太夫(1606年 ~1643年)

ですね。

この朱色美しい山門は、天下の名妓・二代目吉野太夫が巨財を

投じて寄進したもので、二代目吉野太夫、23歳の時の寄贈でした。

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吉野太夫こと松田徳子は京都に生まれ、7歳で遊里に預けられました。

14歳で二代目吉野太夫の名跡を継ぎ、天下の名妓と賞賛される様になります。

全盛期の吉野太夫は井原西鶴の「好色一代男」に記される程に、

その美しさは群を抜いていたそうです。

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そして美しい容姿と共に、茶湯や華道、香道、書、俳句、和歌、

三味線、囲碁の諸芸に秀で、情に厚く品性を備えておられたそうです。

その後、26歳の時に豪商・灰屋紹益に身受けされ結婚。

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しかし、38歳という若さでこの世を去り、遺言によって

ここ常照寺本堂裏の墓地に葬られました。

悲しみに明け暮れた灰屋紹益は、その悲しみを詠んでいます。

「都をば 花なき里になしにけり 吉野を死出の山に移して」

           (寺院入口の参道に掲げられています。)

常照寺2015

境内に広がる美しい紅葉の世界。

鷹ヶ峰は朝晩冷え込む所。

きりっと冷え込む大気が、常照寺色と例えられる

美しい紅葉を見せてくれます。

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丸い窓は吉野窓。

丸窓の向こうに赤い実が見えました。

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毎年春の四月第二日曜日には、

吉野大夫を偲ぶ「吉野太夫花供養」があり

現在の島原太夫による「太夫道中」が行われます。

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境内に咲く四季の花は・・・

春には満開の染井吉野、しだれ桜、八重桜に山桜。

そして椿に霧島ツツジ。

梅雨には、ガクアジサイやサツキ、夏には桔梗、白蓮、

秋には萩、ホトトギス、楓、冬には南天など。

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日一日と色付く常照寺さんの紅葉。

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これから月半ばから後半にかけては、見頃の時・・・・

続いて後半から落葉の時が始まり・・・・

その後は、地上で最後の彩りを見せてくれる、

散りもみじの時と・・・

一年で一番美しく、ダイナミックな時を迎えます。

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《常照寺》

○所    京都市北区鷹峰北鷹峰町45

○参拝料  300円

○時間    8:30~17:00

○アクセス 市バス「源光庵前」下車、徒歩約2分

○駐車場   有り

筆者

京都特派員

Akio

京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。

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