隠れた名所かも?ロストシティ博物館-Lost City Museum

公開日 : 2010年09月19日
最終更新 :

「Lost City Museum」・・・何やらミステリアスな響きのある博物館があります。

ラスベガスからフリーウェイで1時間ちょっと、バレーオブファイヤー州立公園の先、

Overtonという町にあるここは、先史時代から生活をしていたネイティブインディアン

(プエブロインディアンやそれ以前の住人たち)の遺跡とそれにまつわるちっちゃな博物館。

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このあたりは、少し北にあるWarm Springsから流れてくるMuddy Riverの

豊富な水のおかげで、豆類やトウモロコシ・カボチャや綿花などの栽培をして定住する人たちの集落が、

延々50㎞近くに渡って作られていたのだそうです。

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紀元前300年から西暦1150年ごろまでの間、そうやってネイティブインディアン達が

農耕生活をしていたわけですが、この集落一帯は1150年代に突然消えてしまいます。

(この一帯に訪れた旱魃のためだとか)

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時は流れて現代となり、1924年に地元の兄弟によってこの集落跡

「Pueblo Grande de Nevada(=Nevada's Lost City)」** が見つけられてから、

発掘作業が始まりましたが、折りしもフーバーダムの建設により

この遺跡の一部がミード湖の底に沈むことがわかり、発掘品を収容するために

博物館の建設と相成ったわけです。**Pueblo(プエブロ)は「集落」という意味もあります。

突然消えてしまった集落とさらにその遺跡の水没ってことで、

「ロストシティ」なんですね。

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博物館は、日干しレンガ(Adobe)で作られたプエブロインディアンの住まいを模したデザイン。

地元の材料で作られたレンガを使い、バレーオブファイヤーから集めてきた石を床に敷き詰めた建物は

「Boulder Dam Park Museum」として、1935年完成。Boulder Damは、フーバーダムのこと

今年で、75歳です!

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フーバーダムは大恐慌時代のさなか、ニューディール政策の一環として建設されたものですが、

この遺跡の発掘作業~博物館の建設は、その一環であるCCC(Civilian Conservation Corps)

--失業中の青年を建設業や森林の保全作業に従事させる、いわゆる失業対策のプログラム--

に参加した若者達によるものだそうです。

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館内は、遺跡の発掘から博物館の完成までを時系列で表したボードや

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住居跡の展示を囲むように、先史時代から現代までのこの土地の変化についての展示とか、

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もちろん発掘品のほか

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キルトや焼き物・水彩画などの現代の工芸品がぎっしり展示されています。

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ひっそりと静まり返った館内は、もちろんいまどきのインタラクティブな展示でなどはなく、

写真や展示品に添えられた説明パネルがびっしり並んでいます。(しかも文字たくさん!)

ひとつひとつの説明をじっくり読み続けていくと結構時間がかかるのですが、

丁寧に保存されている展示物とともに、個人的にはとても興味深い場所でした。

先史時代から現在までのネバダ州南部の自然史をさくっとお勉強できるだけでなく、

遺跡を発見して、保存しようとした人たちの熱意を垣間見れたというのが、良かったのかも。

博物館へ向かう間も、何てことはないんですけど気持ちのいい景色が広がります。

Overtonは、お昼寝しているような感じの静かな街。

道路の脇にもランチ(牧場)が広がっていて、馬や羊や牛たちのほかに、

ラマまでくつろいでいました...

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木々の緑にあふれた清清しい街は(っていってもやっぱりすごく暑いですけど)、

ドライブするだけでも気持ちいいですね。

ロストシティ博物館、車がないと行かれないのですが、

バレーオブファイヤーに行く機会があったら、そのあとにちょっと立ち寄るのも面白いかもしれません。

Lost City Museum

721 S.Moapa Valley Blvd.Overton, NV 89040

P: 702-397-2193

オープン:(木)~(日)の08:30-16:30 (サンクスギビング・12/25, 1/1は休み)

入館料:$5/1名(2010年現在)

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バレーオブファイヤー州立公園からは30分弱ということろでしょうか。

筆者

アメリカ・ネバダ州特派員

石川 葉子

ラスベガスに来て20年ちょっと。ローカルツアーオペレーター出身のフリーランスライターです。

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